大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

2021-12-29から1日間の記事一覧

窓越しに月おし照りて・・・巻第11-2679

訓読 >>> 窓越しに月おし照りてあしひきの嵐(あらし)吹く夜(よ)は君をしぞ思ふ 要旨 >>> 窓越しに月の光が明るく差し込んできて、山から嵐が吹きすさぶ夜は、あの方のことを思いつめています。 鑑賞 >>> 斎藤茂吉は、この歌の「窓越しに月おし…

大伴旅人の「酒を讃える歌」・・・巻第3-338ほか

訓読 >>> 338験(しるし)なきもの思(おも)はずは一坏(ひとつき)の濁(にご)れる酒を飲むべくあるらし 339酒の名を聖(ひじり)と負(おほ)せし古(いにしへ)の大(おほ)き聖(ひじり)の言(こと)の宜(よろ)しさ 340古(いにしへ)の七(なな…

老いゆく夫を悲しむ・・・巻第13-3245~3246

訓読 >>> 3245天橋(あまはし)も 長くもがも 高山(たかやま)も 高くもがも 月読(つくよみ)の 持てる変若水(をちみづ) い取り来て 君に奉(まつ)りて 変若(をち)得てしかも 3246天(あめ)なるや月日(つきひ)のごとく我(あ)が思へる君が日に…

聖徳太子による「行路死人歌」・・・巻第3-415

訓読 >>> 家にあらば妹(いも)が手まかむ草枕(くさまくら)旅に臥(こ)やせるこの旅人(たびと)あはれ 要旨 >>> 家にいたなら、妻の腕を枕としているであろうに、草を枕の旅路に倒れて亡くなったこの旅人が哀れである。 鑑賞 >>> 推古天皇の摂…