大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

巻第12

夜戸出の姿見てしより・・・巻第12-2950

訓読 >>> 我妹子(わぎもこ)が夜戸出(よとで)の姿見てしより心 空(そら)なり地(つち)は踏めども 要旨 >>> いとしいあの子が、夜、戸を開けて外に出てくる姿を見てからというもの、心は上の空だ、土は踏んでいるけれども。 鑑賞 >>> 「夜戸出…

人妻に言ふは誰が言・・・巻第12-2866

訓読 >>> 人妻に言ふは誰(た)が言(こと)さ衣(ごろも)のこの紐(ひも)解けと言ふは誰が言(こと) 要旨 >>> 人妻である私に言い寄るのは誰のおことば? 下着の紐を解いて寝ようと言い寄るのは誰のおことば? 鑑賞 >>> 「さ衣」の「さ」は接頭…

みをつくし心尽くして・・・巻第12-3162

訓読 >>> みをつくし心尽くして思へかもここにももとな夢(いめ)にし見ゆる 要旨 >>> 家の妻が、身を尽くし心を尽くして私のことを思ってくれているせいか、旅先のここにいても、わけもなく妻の姿が夢に出てくる。 鑑賞 >>> 「羈旅発思」(旅にあ…

年下の男・・・巻第12-2925~2926

訓読 >>> 2925みどり子のためこそ乳母(おも)は求むと言へ乳(ち)飲めや君が乳母(おも)求むらむ 2926悔しくも老いにけるかも我が背子が求むる乳母(おも)に行かましものを 要旨 >>> 〈2925〉幼い子に乳をあたえるために乳母を求めるといいます。…

なかなかに何か知りけむ・・・巻第12-3033

訓読 >>> なかなかに何か知りけむ我が山に燃ゆる煙(けぶり)の外(よそ)に見ましを 要旨 >>> どうして私はあの人と知り合ってしまったのでしょうか。近くの山に立ち上る煙を眺めるように、遠くから見ているだけでよかったのに、私自身に火がついてし…

おのれゆゑ罵らえて居れば・・・巻第12-3098

訓読 >>> おのれ故(ゆゑ)罵(の)らえて居(を)れば青馬(あおうま)の面高(おもたか)夫駄(ぶだ)に乗りて来(く)べしや 要旨 >>> あんたのせいで叱られている折も折、人目につく白い面長の馬に乗って、よくも堂々と訪ねて来れたものですね。 …

胸は破れて砕けて・・・巻第12-2894

訓読 >>> 聞きしより物を思へば我が胸は破(やぶ)れて砕(くだ)けて利心(とごころ)もなし 要旨 >>> 噂に聞いて以来、その人に恋して物思いをしていますので、私の胸は破れて砕けて、理性で判断できる心もありません。 鑑賞 >>> 「聞きしより」…

下紐開けて・・・巻第12-2851

訓読 >>> 人の見る上は結びて人の見ぬ下紐(したひも)開けて恋(こ)ふる日ぞ多き 要旨 >>> 人の見る上着の紐はきちんと結び、人の目に触れない下着の紐をあけて、あなたを恋焦がれる日が重なっています。 鑑賞 >>> 万葉時代の人々は、衣の紐が自…

「彼女?」と呼んでみたい・・・巻第12-2915

訓読 >>> 妹(いも)と言はば無礼(なめ)し畏(かしこ)ししかすがに懸けまく欲しき言(こと)にあるかも 要旨 >>> あの娘(こ)のことを”妹(いも)”と呼んだら失礼だし恐れ多いけれど、そうは言ってもはっきり口に出して言ってみたい言葉だ。 鑑賞 …