大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

巻第13

山ながらかくも現しく・・・巻第13-3332

訓読 >>> 高山(たかやま)と 海とこそば 山ながら かくも現(うつ)しく 海ながら しか真(まこと)ならめ 人は花物(はなもの)そ うつせみ世人(よひと) 要旨 >>> 高い山と海こそは、山であるがゆえに確かに存在し、海であるがゆえにはっきりと存…

水死者を見て詠んだ歌・・・巻第13-3336~3338

訓読 >>> 3336鳥が音(ね)の 神島(かしま)の海に 高山(たかやま)を 隔(へだ)てになして 沖つ藻(も)を 枕(まくら)になし 蛾羽(ひむしは)の 衣(きぬ)だに着ずに いさなとり 海の浜辺(はまへ)に うらもなく 臥(ふ)したる人は 母父(おも…

さし焼かむ小屋の醜屋に・・・巻第13-3270~3271

訓読 >>> 3270さし焼かむ 小屋(こや)の醜屋(しこや)に かき棄(う)てむ 破(や)れ薦(ごも)敷きて うち折らむ 醜(しこ)の醜手(しこて)を さし交(か)へて 寝(ね)らむ君ゆゑ あかねさす 昼はしみらに ぬばたまの 夜(よる)はすがらに この…

君が老ゆらく惜しも・・・巻第13-3247

訓読 >>> 沼名川(ぬなかは)の 底なる玉 求めて 得し玉かも 拾(ひり)ひて 得し玉かも 惜(あたら)しき 君が老ゆらく惜(を)しも 要旨 >>> 沼名川の川底にある玉、探し求めてやっと得た玉よ。拾い求めて持っている玉よ。この玉のようにかけがえも…

馬を買ってください、あなた・・・巻第13-3314~3317

訓読 >>> 3314つぎねふ 山背道(やましろぢ)を 人夫(ひとづま)の 馬より行くに 己夫(おのづま)し 徒歩(かち)より行けば 見るごとに 音(ね)のみし泣かゆ そこ思ふに 心し痛し たらちねの 母が形見と 我(わ)が持てる まそみ鏡に 蜻蛉領巾(あき…

天皇の隠し妻?・・・巻第13-3312~3313

訓読 >>> 3312こもくりの 泊瀬小国(はつせをぐに)に よばひせす 我(わ)が天皇(すめろき)よ 奥床(おくとこ)に 母は寝(い)ねたり 外床(とどこ)に 父は寝(い)ねたり 起き立たば 母知りぬべし 出でて行かば 父知りぬべし ぬばたまの 夜(よ)は…

三重に結ふべく我が身はなりぬ・・・巻第13-3273

訓読 >>> 二つなき恋をしすれば常(つね)の帯(おび)を三重に(みへ)結ふべく我(あ)が身はなりぬ 要旨 >>> 二度とない恋に苦しめられ、普段は一重に結ぶ帯も、三重にも結べる身になってしまった。 鑑賞 >>> 片思いの恋に苦しむあまり、やつれ…

遣唐使を見送る歌・・・巻第13-3253~3254

訓読 >>> 3253葦原(あしはら)の 瑞穂(みずほ)の国は 神(かむ)ながら 言挙(ことあ)げせぬ国 しかれども 言挙げぞ我(わ)がする 言幸(ことさき)く ま幸(さき)くいませと つつみなく 幸(さき)くいまさば 荒磯波(ありそなみ) ありても見むと…

老いゆく夫を悲しむ・・・巻第13-3245~3246

訓読 >>> 3245天橋(あまはし)も 長くもがも 高山(たかやま)も 高くもがも 月読(つくよみ)の 持てる変若水(をちみづ) い取り来て 君に奉(まつ)りて 変若(をち)得てしかも 3246天(あめ)なるや月日(つきひ)のごとく我(あ)が思へる君が日に…