大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

巻第15

遣新羅使人の歌(24)-3684~3687

訓読 >>> 3684秋の夜を長みにかあらむなぞここば寐(い)の寝(ね)らえぬもひとり寝(ぬ)ればか 3685足日女(たらしひめ)御船(みふね)泊(は)てけむ松浦(まつら)の海(うみ)妹(いも)が待つべき月は経(へ)につつ 3686旅なれば思ひ絶えてもあ…

遣新羅使人の歌(23)-3681~3683

訓読 >>> 3681帰り来て見むと思ひし我(わ)が宿(やど)の秋萩(あきはぎ)すすき散りにけむかも 3682天地(あめつち)の神を祈(こ)ひつつ我(あ)れ待たむ早(はや)来ませ君(きみ)待たば苦しも 3683君を思ひ我(あ)が恋ひまくはあらたまの立つ月…

遣新羅使人の歌(22)-3676~3680

訓読 >>> 3676天(あま)飛ぶや雁(かり)を使(つかひ)に得(え)てしかも奈良の都に言(こと)告(つ)げ遣(や)らむ 3677秋の野をにほはす萩(はぎ)は咲けれども見る験(しるし)なし旅にしあれば 3678妹(いも)を思(おも)ひ寐(い)の寝(ね)…

遣新羅使人の歌(21)-3674~3675

訓読 >>> 3674草枕(くさまくら)旅を苦しみ恋ひ居(を)れば可也(かや)の山辺(やまへ)にさを鹿(しか)鳴くも 3675沖つ波高く立つ日に逢(あ)へりきと都の人は聞きてけむかも 要旨 >>> 〈3674〉旅の苦しさに故郷を恋しく思い出していると、可也…

遣新羅使人の歌(20)-3671~3673

訓読 >>> 3671ぬばたまの夜(よ)渡る月にあらませば家なる妹(いも)に逢ひて来(こ)ましを 3672ひさかたの月は照りたり暇(いとま)なく海人(あま)の漁(いざ)りは灯(とも)し合へり見(み)ゆ 3673風吹けば沖つ白波(しらなみ)畏(かしこ)みと…

遣新羅使人の歌(19)-3668~3670

訓読 >>> 3668大君(おほきみ)の遠(とほ)の朝廷(みかど)と思へれど日(け)長くしあれば恋ひにけるかも3669旅にあれど夜(よる)は火(ひ)灯(とも)し居(を)る我(わ)れを闇(やみ)にや妹(いも)が恋ひつつあるらむ3670韓亭(からとまり)能…

遣新羅使人の歌(18)・・・巻第15-3665~3667

訓読 >>> 3665妹を(いも)思ひ寐(い)の寝(ね)らえぬに暁(あかとき)の朝霧(あさぎり)隠(ごも)り雁(かり)がねぞ鳴く3666夕(ゆふ)されば秋風寒し我妹子(わぎもこ)が解洗衣(ときあらひごろも)行きて早(はや)着む3667我(わ)が旅は久し…

遣新羅使人の歌(17)・・・巻第15-3662~3664

訓読 >>> 3662天(あま)の原(はら)振り放(さ)け見れば夜(よ)ぞ更(ふ)けにける よしゑやしひとり寝(ぬ)る夜(よ)は明けば明けぬとも 3663わたつみの沖つ縄海苔(なはのり)来る時と妹(いも)が待つらむ月は経(へ)につつ 3664志賀(しか)の…

遣新羅使人の歌(16)・・・巻第15-3659~3661

訓読 >>> 3659秋風は日に異(け)に吹きぬ我妹子(わぎもこ)は何時(いつ)とか我(わ)れを斎(いは)ひ待つらむ 3660神(かむ)さぶる荒津(あらつ)の崎(さき)に寄する波(なみ)間(ま)なくや妹(いも)に恋ひわたりなむ 3661風の共(むた)寄せ…

遣新羅使人の歌(15)・・・巻第15-3656~3658

訓読 >>> 3656秋萩(あきはぎ)ににほへる我(わ)が裳(も)濡(ぬ)れぬとも君が御船(みふね)の綱(つな)し取りてば 3657年(とし)にありて一夜(ひとよ)妹(いも)に逢ふ彦星(ひこほし)も我(わ)れにまさりて思ふらめやも 3658夕月夜(ゆふづ…

遣新羅使人の歌(14)・・・巻第15-3652~3655

訓読 >>> 3652志賀(しか)の海人(あま)の一日(ひとひ)もおちず焼く塩のからき恋をも我(あ)れはするかも 3653志賀の浦に漁(いざ)りする海人(あま)家人(いへびと)の待ち恋ふらむに明かし釣(つ)る魚(うを) 3654可之布江(かしふえ)に鶴(…

遣新羅使人の歌(13)・・・巻第15-3595~3599

訓読 >>> 3595朝開(あさびら)き漕ぎ出(で)て来れば武庫(むこ)の浦の潮干(しほひ)の潟(かた)に鶴(たづ)が声すも 3596我妹子(わぎもこ)が形見(かたみ)に見むを印南都麻(いなみつま)白波(しらなみ)高み外(よそ)にかも見む 3597わたつ…

中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(17)・・・巻第15-3782~3785

訓読 >>> 3782雨隠(あまごも)り物思(ものも)ふ時に霍公鳥(ほととぎす)我(わ)が住む里に来(き)鳴き響(とよ)もす 3783旅にして妹(いも)に恋ふれば霍公鳥(ほととぎす)我(わ)が住む里にこよ鳴き渡る 3784心なき鳥にぞありける霍公鳥(ほと…

中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(16)・・・巻第15-3779~3781

訓読 >>> 3779我(わ)が宿(やど)の花橘(はなたちばな)はいたづらに散りか過ぐらむ見る人なしに 3780恋ひ死なば恋ひも死ねとや霍公鳥(ほととぎす)物思(ものも)ふ時に来(き)鳴き響(とよ)むる 3781旅にして物思(ものも)ふ時に霍公鳥(ほとと…

中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(15)・・・巻第15-3775~3778

訓読 >>> 3779我(わ)が宿(やど)の花橘(はなたちばな)はいたづらに散りか過ぐらむ見る人なしに 3780恋ひ死なば恋ひも死ねとや霍公鳥(ほととぎす)物思(ものも)ふ時に来(き)鳴き響(とよ)むる 3781旅にして物思(ものも)ふ時に霍公鳥(ほとと…

中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(14)・・・巻第15-3775~3778

訓読 >>> 3775あらたまの年の緒(を)長く逢はざれど異(け)しき心を我(あ)が思(も)はなくに3776今日(けふ)もかも都なりせば見まく欲(ほ)り西の御馬屋(みまや)の外(と)に立てらまし 3777昨日(きのふ)今日(けふ)君に逢はずてする術(すべ…

中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(13)・・・巻第15-3771~3774

訓読 >>> 3771宮人(みやひと)の安寐(やすい)も寝(ね)ずて今日今日(けふけふ)と待つらむものを見えぬ君かも 3772帰りける人(ひと)来(きた)れりと言ひしかばほとほと死にき君かと思ひて 3773君が共(むた)行かましものを同じこと後(おく)れ…

遣新羅使人の歌(12)・・・巻第15-3605~3609

訓読 >>> 3605わたつみの海に出(い)でたる飾磨川(しかまがは)絶えむ日にこそ我(あ)が恋やまめ 3606玉藻(たまも)刈る処女(をとめ)を過ぎて夏草の野島(のしま)が崎に廬(いほ)りす我(わ)れは 3607白たへの藤江(ふぢゑ)の浦に漁(いざ)り…

中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(12)・・・巻第15-3767~3770

訓読 >>> 3767魂(たましひ)は朝夕(あしたゆふへ)にたまふれど我(あ)が胸(むね)痛し恋の繁(しげ)きに 3768このころは君を思ふとすべもなき恋のみしつつ音(ね)のみしぞ泣く 3769ぬばたまの夜(よる)見し君を明くる朝(あした)逢はずまにして…

中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(11)・・・巻第15-3763~3766

訓読 >>> 3763旅と言へば言(こと)にぞやすきすべもなく苦しき旅も言(こと)にまさめやも 3764山川(やまがは)を中に隔(へな)りて遠くとも心を近く思ほせ我妹(わぎも) 3765まそ鏡(かがみ)懸(か)けて偲(しぬ)へと奉(まつ)り出(だ)す形見…

遣新羅使人の歌(11)・・・巻第15-3648~3651

訓読 >>> 3648海原(うなはら)の沖辺(おきへ)に灯(とも)し漁(いざ)る火は明かして灯(とも)せ大和島(やまとしま)見む 3649鴨(かも)じもの浮寝(うきね)をすれば蜷(みな)の腸(わた)か黒(ぐろ)き髪に露そ置きにける 3650ひさかたの天(…

中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(10)・・・巻第15-3759~3762

訓読 >>> 3759たちかへり泣けども我(あ)れは験(しるし)なみ思ひわぶれて寝(ぬ)る夜(よ)しぞ多き 3760さ寝(ぬ)る夜(よ)は多くあれども物思(ものも)はず安く寝る夜は実(さね)なきものを 3761世の中の常(つね)の理(ことわり)かくさまに…

中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(9)・・・巻第15-3756~3758

訓読 >>> 3754過所(くわそ)なしに関(せき)飛び越ゆるほととぎす多我子尓毛 止(や)まず通(かよ)はむ 3755愛(うるは)しと我(あ)が思(も)ふ妹(いも)を山川(やまかは)を中にへなりて安けくもなし 3756向(むか)ひ居て一日(ひとひ)もおち…

中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(8)・・・巻第15-3750~3753

訓読 >>> 3750天地(あめつち)の底(そこ)ひの裏(うら)に我(あ)がごとく君に恋ふらむ人は実(さね)あらじ 3751白たへの我(あ)が下衣(したごろも)失はず持てれ我(わ)が背子(せこ)直(ただ)に逢ふまでに 3752春の日のうら悲(がな)しきに…

中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(7)・・・巻第15-3745~3749

訓読 >>> 3745命(いのち)あらば逢ふこともあらむ我(わ)がゆゑにはだな思ひそ命だに経(へ)ば3746人の植(う)うる田は植ゑまさず今更(いまさら)に国別(くにわか)れして我(あ)れはいかにせむ3747我(わ)が宿(やど)の松の葉(は)見つつ我(…

中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(6)・・・巻第15-3736~3744

訓読 >>> 3736遠くあれば一日(ひとひ)一夜(ひとよ)も思はずてあるらむものと思ほしめすな 3737人よりは妹(いも)ぞも悪(あ)しき恋もなくあらましものを思はしめつつ 3738思ひつつ寝(ぬ)ればかもとなぬばたまの一夜(ひとよ)もおちず夢(いめ)…

中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(5)・・・巻第15-3731~3735

訓読 >>> 3741命(いのち)をし全(また)くしあらばあり衣(きぬ)のありて後(のち)にも逢はざらめやも [一云 ありての後も] 3742逢はむ日をその日と知らず常闇(とこやみ)にいづれの日まで我(あ)れ恋ひ居(を)らむ 3743旅といへば言(こと)にぞ…

中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(4)・・・巻第15-3731~3735

訓読 >>> 3731思ふゑに逢ふものならばしましくも妹(いも)が目(め)離(か)れて我(あ)れ居(を)らめやも 3732あかねさす昼は物思(ものも)ひぬばたまの夜(よる)はすがらに音(ね)のみし泣かゆ 3733我妹子(わぎもこ)が形見(かたみ)の衣(こ…

中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(3)・・・巻第15-3727~3730

訓読 >>> 3731思ふゑに逢ふものならばしましくも妹(いも)が目(め)離(か)れて我(あ)れ居(を)らめやも 3732あかねさす昼は物思(ものも)ひぬばたまの夜(よる)はすがらに音(ね)のみし泣かゆ 3733我妹子(わぎもこ)が形見(かたみ)の衣(こ…

中臣宅守と狭野弟上娘子の贈答歌(2)・・・巻第15-3727~3730

訓読 >>> 3727塵泥(ちりひぢ)の数にもあらぬ我(わ)れゆゑに思ひわぶらむ妹(いも)がかなしさ 3728あをによし奈良の大路(おほち)は行き良(よ)けどこの山道(やまみち)は行き悪(あ)しかりけり 3729愛(うるは)しと我(あ)が思(も)ふ妹(い…