大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

巻第2

天智天皇と鏡王女の歌・・・巻第2-91~92

訓読 >>> 91妹(いも)が家も継(つ)ぎて見ましを大和なる大島の嶺(ね)に家もあらましを 92秋山の樹(こ)の下隠(したがく)り逝(ゆ)く水のわれこそ増さめ思ほすよりは 要旨 >>> 〈91〉逢えないのなら、せめてあなたの家をいつでも見ることがで…

志貴皇子が亡くなった時に笠金村が作った歌・・・巻第2-230~232

訓読 >>> 230梓弓(あづさゆみ) 手に取り持ちて ますらをの さつ矢 手挟(たばさ)み 立ち向ふ 高円山(たかまとやま)に 春野(はるの)焼く 野火(のひ)と見るまで 燃ゆる火を 何かと問へば 玉鉾(たまほこ)の 道来る人の 泣く涙 こさめに降れば 白…

丈夫や片恋ひせむと嘆けども・・・巻第2-117~118

訓読 >>> 117丈夫(ますらを)や片恋ひせむと嘆けども醜(しこ)のますらをなほ恋ひにけり 118嘆きつつ大夫(ますらを)の恋ふれこそ我(わ)が髪結(かみゆ)ひの漬(ひ)ぢて濡(ぬ)れけれ 要旨 >>> 〈117〉丈夫(ますらお)たるもの、片思いなどす…

風流秀才の士・・・巻第2-126~127

訓読 >>> 126遊士(みやびを)とわれは聞けるを屋戸(やど)貸さずわれを還(かへ)せりおその風流士(みやびを) 127遊士(みやびを)にわれはありけり屋戸(やど)貸さず還(かへ)ししわれそ風流士(みやびを)にはある 要旨 >>> 〈126〉みやびなお…

大伯皇女が弟の大津皇子を思う歌・・・巻第2-105~106

訓読 >>> 105わが背子を大和へ遣(や)るとさ夜深けて暁露(あかときつゆ)にわが立ち濡れし 106二人行けど行き過ぎ難き秋山をいかにか君がひとり越ゆらむ 要旨 >>> 〈105〉私の弟を大和へ帰さなければと、夜が更けて暁の霜が降りるまで、私は立ち尽く…

東のたぎの御門に侍へど・・・巻第2-176~177ほか

訓読 >>> 176天地(あめつち)とともに終へむと思ひつつ仕へまつりし心 違(たが)ひぬ 177朝日照る佐田(さだ)の岡辺(をかへ)に群れ居(ゐ)つつ我が泣く涙やむ時もなし 184東(ひむがし)のたぎの御門(みかど)に侍(さもら)へど昨日(きのふ)も…

老いらくの恋?・・・巻第2-129

訓読 >>> 古(ふ)りにし嫗(おみな)にしてやかくばかり恋に沈まむ手童(たわらは)のごと 要旨 >>> 使い古したお婆さんなのに、まあどうしたことでしょう、これほど恋に没頭するなんて。まるで幼子みたい。 鑑賞 >>> 石川郎女(いしかわのいらつ…

わが里に大雪降れり・・・巻第2-103~104

訓読 >>> 103わが里に大雪(おほゆき)降れり大原の古(ふ)りにし里に降らまくは後(のち) 104わが岡のおかみに言ひて降らしめし雪のくだけし其処(そこ)に散りけむ 要旨 >>> 〈103〉私の里には大雪が降った。あなたの住む大原の古ぼけた里に降るの…

安見児得たり!!!・・・巻第2-95

訓読 >>> 吾(あれ)はもや安見児(やすみこ)得たり皆人(みなひと)の得がてにすとふ安見児得たり 要旨 >>> 私は今まさに、美しい安見児を娶(めと)った。世の人々が容易には得られない、美しい安見児を娶ったぞ! 鑑賞 >>> 藤原鎌足といえば、…

髪は乱れていても・・・巻第2-123~125

訓読 >>> 123たけばぬれたかねば長き妹(いも)が髪このころ見ぬに掻(か)き入れつらむか124人皆は今は長しとたけと言へど君が見し髪乱れたりとも 125橘(たちばな)の蔭(かげ)踏む道の八衢(やちまた)に物をぞ思ふ妹に逢はずして 要旨 >>> 〈123…

坊さんが女を口説いた!・・・巻第2-96~100

訓読 >>> 96み薦(こも)刈る信濃の真弓(まゆみ)わが引かば貴人(うまひと)さびていなと言はむかも97み薦刈る信濃の真弓引かずして強(し)ひざる行事(わざ)を知るとは言はなくに98梓弓(あづさゆみ)引かばまにまに依(よ)らめども後の心を知りか…