大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

巻第4

思ひ遣るすべの知らねば・・・巻第4-707~708

訓読 >>> 707思ひ遣(や)るすべの知らねば片垸(かたもひ)の底にぞ我(あ)れは恋ひ成りにける 708またも逢はむよしもあらぬか白栲(しろたへ)の我(あ)が衣手(ころもで)に斎(いは)ひ留(とど)めむ 要旨 >>> 〈707〉思いを取り払う手だてが分…

古人の飲へしめたる吉備の酒・・・巻第4-553~554

訓読 >>> 553天雲(あまくも)のそくへの極(きは)み遠けども心し行けば恋ふるものかも 554古人(ふるひと)の飲(たま)へしめたる吉備(きび)の酒(さけ)病(や)めばすべなし貫簀(ぬきす)賜(たば)らむ 要旨 >>> 〈553〉あなたのおられる筑紫…

君が家に我が住坂の家道をも・・・巻第4-504

訓読 >>> 君が家に我(わ)が住坂(すみさか)の家道(いへぢ)をも我(わ)れは忘れじ命(いのち)死なずは 要旨 >>> あなたの家に私が住む、その言葉の響きのように、あなたと住んだ住坂の家も家路も忘れはしません。命のある限りずっと。 鑑賞 >>…

はつはつに人を相見て・・・巻第4-701~702

訓読 >>> 701はつはつに人を相(あひ)見ていかにあらむいづれの日にかまた外(よそ)に見む 702ぬばたまのその夜(よ)の月夜(つくよ)今日(けふ)までに我(あ)れは忘れず間(ま)なくし思へば 要旨 >>> 〈701〉ほんのちょっと関係を持って、いつ…

言問ふ姿面影にして・・・巻第4-602

訓読 >>> 夕されば物思(ものも)ひ益(ま)さる見し人の言問(ことと)ふ姿(すがた)面影(おもかげ)にして 要旨 >>> 夕方になると物思いがまさってきます。お逢いしたあなたが話しかけてくださった姿が面影となって現れてくるので。 鑑賞 >>> …

心には忘るる日なく思へども・・・巻第4-646~649

訓読 >>> 646ますらをの思ひわびつつ度(たび)まねく嘆く嘆きを負(お)はぬものかも647心には忘るる日なく思へども人の言(こと)こそ繁(しげ)き君にあれ648相(あひ)見ずて日(け)長くなりぬこの頃はいかに幸(さき)くやいふかし我妹(わぎも)64…

恋ひ恋ひて逢へる時だに・・・巻第4-661

訓読 >>> 恋ひ恋ひて逢へる時だに愛(うつく)しき言(こと)尽くしてよ長くと思はば 要旨 >>> 恋して恋して、やっと逢えた時くらい、ありったけの言葉を言い尽くして下さい。これからも二人の仲を長く続けようと思うなら。 鑑賞 >>> ようやく夫に…

昨夜の夜の雨に懲りにけむかも・・・巻第4-519~520

訓読 >>> 519雨障(あまつつ)み常(つね)する君はひさかたの昨夜(きぞ)の夜(よ)の雨に懲(こ)りにけむかも 520ひさかたの雨も降らぬか雨障(あまつつ)み君にたぐひてこの日暮らさむ 要旨 >>> 〈519〉雨を口実にいつも家に籠っておられるあなた…

うはへなき妹にもあるかも・・・巻第4-691~692

訓読 >>> 691ももしきの大宮人(おほみやひと)は多かれど心に乗りて思ほゆる妹(いも) 692うはへなき妹(いも)にもあるかもかくばかり人の心を尽(つく)さく思へば 要旨 >>> 〈691〉大宮に仕える女官はたくさんいるけれども、私の心に乗りかかって…

磨ぎし心をゆるしてば・・・巻第4-673~674

訓読 >>> 673まそ鏡(かがみ)磨(と)ぎし心をゆるしてば後(のち)に言ふとも験(しるし)あらめやも 674真玉(またま)つくをちこち兼ねて言(こと)は言へど逢ひて後(のち)こそ悔(くい)にはありといへ 要旨 >>> 〈673〉まそ鏡のように清く研ぎ…

娘子らが袖布留山の・・・巻第4-501~503

訓読 >>> 501娘子(をとめ)らが袖(そで)布留(ふる)山の瑞垣(みづかき)の久しき時ゆ思ひき我(われ)は 502夏野(なつの)行く牡鹿(をしか)の角(つの)の束(つか)の間も妹(いも)が心を忘れて思へや 503玉衣(たまきぬ)のさゐさゐしづみ家の…

み熊野の浦の浜木綿・・・巻第4-496~499

訓読 >>> 496み熊野の浦の浜木綿(はまゆふ)百重(ももへ)なす心は思へど直(ただ)に逢はぬかも 497古(いにしへ)にありけむ人もわがごとか妹(いも)に恋ひつつ寝(い)ねかてずけむ 498今のみのわざにはあらず古(いにしえ)の人そまさりて音(ね)…

わが背子が着せる衣の・・・巻第4-514~516

訓読 >>> 514わが背子(せこ)が着せる衣(ころも)の針目(はりめ)落ちず入りにけらしもわが情(こころ)さへ 515ひとり寝(ね)て絶えにし紐(ひも)をゆゆしみとせむすべ知らに音(ね)のみしそ泣く 516わが持てる三(み)つあひに縒(よ)れる糸もち…

道に逢ひて笑まししからに・・・巻第4-624

訓読 >>> 道に逢ひて笑(ゑ)まししからに降る雪の消(け)なば消ぬがに恋ふといふ我妹(わぎも) 要旨 >>> 道で出逢って微笑みかけられた人が、死ぬなら死んでもいいというほど恋しているという噂のあるそなたよ。 鑑賞 >>> 聖武天皇の御製歌で、…

をととしの先つ年より・・・巻第4-783~785

訓読 >>> 783をととしの先つ年より今年まで恋ふれどなぞも妹(いも)に逢ひかたき 784うつつにはさらにもえ言はず夢(いめ)にだに妹(いも)が手本(たもと)を卷き寝(ぬ)とし見ば 785我がやどの草の上白く置く露(つゆ)の身も惜しからず妹(いも)に…

月読の光に来ませ・・・巻第4-670~671

訓読 >>> 670月読(つくよみ)の光に来ませあしひきの山き隔(へな)りて遠からなくに 671月読(つくよみ)の光はきよく照らせれど惑(まと)へる心思ひあへなくに 要旨 >>> 670月の光をたよりにおいでになって下さい。山を隔てて遠いというわけではな…

東女を忘れたまふな・・・巻第4-521

訓読 >>> 庭に立つ麻手(あさで)刈り干し布さらす東女(あづまをみな)を忘れたまふな 要旨 >>> 庭に植えた麻を刈り干したり、それを布にしてさらす東国の女だからとて、決して忘れないでください。 鑑賞 >>> 常陸守として赴任していた藤原宇合(…

梅のいまだ咲かなく・・・巻第4-786~788

訓読 >>> 786春の雨はいやしき降るに梅の花いまだ咲かなくいと若みかも 787夢のごと思ほゆるかもはしきやし君が使の数多く通へば 788うら若み花咲きかたき梅を植ゑて人の言(こと)繁(しげ)み思ひぞ我がする 要旨 >>> 〈786〉春雨はしきりに降ってい…

単身赴任の夫と、妻の歌・・・巻第4-621~622

訓読 >>> 621間(あひだ)無く恋ふるにかあらむ草枕(くさまくら)旅なる君の夢(いめ)にし見ゆる 622草枕(くさまくら)旅に久しくなりぬれば汝(な)をこそ思へな恋ひそ吾妹(わぎも) 要旨 >>> 〈621〉絶え間なくあなたが恋しく思ってくださるるか…

めげないオヤジの恋・・・巻第4-627~628

訓読 >>> 627我(わ)が手本(たもと)まかむと思はむ大夫(ますらを)は変若水(をちみづ)求め白髪(しらか)生(お)ひにけり 628白髪(しらか)生(お)ふることは思はず変若水(をちみづ)はかにもかくにも求めて行かむ 要旨 >>> 〈627〉私の袖を…