大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

柿本人麻呂の歌

持統天皇の吉野行幸の折、柿本人麻呂が作った歌・・・巻第1-36~37

訓読 >>> 36やすみしし わご大君(おほきみ)の 聞(きこ)しめす 天(あめ)の下に 国はしも 多(さは)にあれども 山川の 清き河内(かふち)と 御心(みこころ)を 吉野の国の 花散らふ 秋津の野辺(のへ)に 宮柱(みやはしら) 太敷(ふとし)きませ…

娘子らが袖布留山の・・・巻第4-501~503

訓読 >>> 501娘子(をとめ)らが袖(そで)布留(ふる)山の瑞垣(みづかき)の久しき時ゆ思ひき我(われ)は 502夏野(なつの)行く牡鹿(をしか)の角(つの)の束(つか)の間も妹(いも)が心を忘れて思へや 503玉衣(たまきぬ)のさゐさゐしづみ家の…

み熊野の浦の浜木綿・・・巻第4-496~499

訓読 >>> 496み熊野の浦の浜木綿(はまゆふ)百重(ももへ)なす心は思へど直(ただ)に逢はぬかも 497古(いにしへ)にありけむ人もわがごとか妹(いも)に恋ひつつ寝(い)ねかてずけむ 498今のみのわざにはあらず古(いにしえ)の人そまさりて音(ね)…

名ぐはしき稲見の海の・・・巻第3-303~304

訓読 >>> 303名ぐはしき稲見(いなみ)の海の沖つ波 千重(ちへ)に隠りぬ大和島根(やまとしまね)は 304大君(おほきみ)の遠(とほ)の朝廷(みかど)とあり通(がよ)ふ島門(しまと)を見れば神代(かみよ)し思ほゆ 要旨 >>> 〈303〉名高い稲見…

もののふの八十氏河の・・・巻第3-264

訓読 >>> もののふの八十氏河(やそうじかは)の網代木(あじろき)に いさよふ波の行く方知らずも 要旨 >>> 宇治川の網代木に遮られてただよう水のように、人の行く末とは分からないものだ。 鑑賞 >>> 柿本人麻呂が近江国から大和へ上った時、宇治…

八雲さす出雲の子らが・・・巻第3-429~430

訓読 >>> 429山の際(ま)ゆ出雲(いづも)の子らは霧(きり)なれや吉野の山の嶺(みね)にたなびく 430八雲(やくも)さす出雲(いづも)の子らが黒髪は吉野の川の沖になづさふ 要旨 >>> 〈429〉山の間から湧き立つ雲のように溌剌としていた出雲の娘…

近江の旧都を見て悲しむ・・・巻第1-29~31

訓読 >>> 29玉襷(たまたすき) 畝火(うねび)の山の 橿原(かしはら)の 日知(ひじり)の御代ゆ 生(あ)れましし 神のことごと 樛(つが)の木の いやつぎつぎに 天(あめ)の下 知らしめししを 天(そら)にみつ 大和を置きて あをによし 奈良山を越…

遣唐使を見送る歌・・・巻第13-3253~3254

訓読 >>> 3253葦原(あしはら)の 瑞穂(みずほ)の国は 神(かむ)ながら 言挙(ことあ)げせぬ国 しかれども 言挙げぞ我(わ)がする 言幸(ことさき)く ま幸(さき)くいませと つつみなく 幸(さき)くいまさば 荒磯波(ありそなみ) ありても見むと…

東の野に炎立つ見えて・・・巻第1-48

訓読 >>> 東(ひむがし)の野に炎(かぎろひ)立つ見えてかへり見すれば月 傾(かたぶ)きぬ 要旨 >>> 東の野にあけぼのの茜色が見え始め、振り返ってみると、もう月が傾きかけている。 鑑賞 >>> 柿本人麻呂の作で、亡くなった草壁皇子(くさかべの…

ともしびの明石大門に・・・巻第3-254

訓読 >>> ともしびの明石(あかし)大門(おほと)に入(い)らむ日や榜(こ)ぎ別れなむ家のあたり見ず 要旨 >>> 明石の海門を通過するころには、いよいよ家郷の大和の山々とも別れることとなるのだ。 鑑賞 >>> 柿本人麻呂が、船旅の途上で読んだ…