大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

笠金村の歌

伊香山野辺に咲きたる・・・巻第8-1532~1533

訓読 >>> 1532草枕(くさまくら)旅ゆく人も行き触(ふ)ればにほひぬべくも咲ける萩(はぎ)かも 1533伊香山(いかごやま)野辺(のへ)に咲きたる萩(はぎ)見れば君が家なる尾花(をばな)し思ほゆ 要旨 >>> 〈1532〉草を枕に旅行く人も、行きずり…

越の海の角鹿の浜ゆ・・・巻第3-366~367

訓読 >>> 366越(こし)の海の 角鹿(つのが)の浜ゆ 大船(おほぶね)に 真梶(まかぢ)貫(ぬ)き下ろし 鯨魚(いさな)取り 海路(うみぢ)に出(い)でて 喘(あへ)きつつ 我(わ)が漕(こ)ぎ行けば ますらをの 手結(たゆひ)が浦に 海人娘子(あ…

かがよふ玉を取らずはやまじ・・・巻第6-950~953

訓読 >>> 950大君(おほきみ)の境(さか)ひたまふと山守(やまもり)据(す)ゑ守(も)るといふ山に入(い)らずはやまじ 951見わたせば近きものから岩隠(いはがく)りかがよふ玉を取らずはやまじ 952韓衣(からころも)着(き)奈良(なら)の里(さ…

ますらをの弓末振り起し射つる矢を・・・巻第3-364~365

訓読 >>> 364ますらをの弓末(ゆずゑ)振り起(おこ)し射(い)つる矢を後(のち)見む人は語り継(つ)ぐがね 365塩津山(しほつやま)打ち越え行けば我(あ)が乗れる馬ぞつまづく家(いへ)恋ふらしも 要旨 >>> 〈364〉立派な男子たる私が弓の先端…

聖武天皇の印南野行幸の折、笠金村が作った歌・・・巻第6-935~937

訓読 >>> 935名寸隅(なきすみ)の 舟瀬(ふなせ)ゆ見ゆる 淡路島 松帆(まつほ)の浦に 朝なぎに 玉藻(たまも)刈りつつ 夕なぎに 藻塩(もしほ)焼きつつ 海人娘子(あまをとめ) ありとは聞けど 見に行(ゆ)かむ よしのなければ ますらをの 心はな…

聖武天皇が難波の宮に行幸あったとき、笠金村が作った歌・・・巻第6-928~929

訓読 >>> 928おしてる 難波(なには)の国は 葦垣(あしかき)の 古(ふ)りにし里と 人皆(ひとみな)の 思ひやすみて つれもなく ありし間(あひだ)に 績麻(うみを)なす 長柄(ながら)の宮に 真木柱(まきばしら) 太高(ふとたか)敷(し)きて 食…

元正天皇の吉野行幸の折、笠金村が作った歌・・・巻第6-910~912

訓読 >>> 910神(かむ)からか見が欲しからむみ吉野の滝の河内(かふち)は見れど飽かぬかも 911み吉野の秋津(あきづ)の川の万代(よろづよ)に絶ゆることなくまたかへり見む 912泊瀬女(はつせめ)の造る木綿花(ゆふばな)み吉野の滝の水沫(みなわ)…

波の上ゆ見ゆる小島の雲隠り・・・巻第8-1453~1455

訓読 >>> 1453玉たすき 懸(か)けぬ時なく 息の緒(を)に 我(あ)が思ふ君は うつせみの 世の人なれば 大君(おほきみ)の 命(みこよ)畏(かしこ)み 夕(ゆふ)されば 鶴(たづ)が妻呼ぶ 難波潟(なにはがた) 御津(みつ)の崎より 大船(おほぶ…

聖武天皇の吉野行幸の折、笠金村が作った歌・・・巻第6-920~922

訓読 >>> 920あしひきの み山もさやに 落ち激(たぎ)つ 吉野の川の 川の瀬の 清きを見れば 上辺(かみへ)には 千鳥しば鳴く 下辺(しもへ)には かはづ妻呼ぶ ももしきの 大宮人(おおみやひと)も をちこちに 繁(しじ)にしあれば 見るごとに あやに…

元正天皇の吉野行幸の折、笠金村が作った歌・・・巻第6-907~909

訓読 >>> 907滝の上(へ)の 御舟(みふね)の山に 瑞枝(みづえ)さし 繁(しじ)に生ひたる 栂(とが)の樹の いやつぎつぎに 万代(よろづよ)に かくし知らさむ み吉野の 蜻蛉(あきづ)の宮は 神柄(かむから)か 貴くあるらむ 国柄(くにから)か …

我妹子が結ひてし紐を・・・巻第9-1787~1789

訓読 >>> 1787うつせみの 世の人なれば 大君(おほきみ)の 命(みこと)畏(かしこ)み 敷島(しきしま)の 大和の国の 石上(いそのかみ) 布留(ふる)の里に 紐(ひも)解かず 丸寝(まろね)をすれば 我が着たる 衣はなれぬ 見るごとに 恋はまされど…

み越路の雪降る山を越えむ日は・・・巻第9-1785~1786

訓読 >>> 1785人となる ことは難きを わくらばに なれる我(あ)が身は 死にも生きも 君がまにまと 思ひつつ ありし間(あいだ)に うつせみの 世の人なれば 大君(おほきみ)の 命(みこと)恐(かしこ)み 天(あま)ざかる 夷(ひな)治(おさ)めにと…

志貴皇子が亡くなった時に笠金村が作った歌・・・巻第2-230~232

訓読 >>> 230梓弓(あづさゆみ) 手に取り持ちて ますらをの さつ矢 手挟(たばさ)み 立ち向ふ 高円山(たかまとやま)に 春野(はるの)焼く 野火(のひ)と見るまで 燃ゆる火を 何かと問へば 玉鉾(たまほこ)の 道来る人の 泣く涙 こさめに降れば 白…