- 巻3-403 朝に日に見まく欲りするその玉をいかにせばかも手ゆ離れずあらむ
- 巻3-408 なでしこのその花にもが朝な朝な手に取り持ちて恋ひぬ日なけむ
- 巻3-414 あしひきの岩根こごしみ菅の根を引かば難みと標のみぞ結ふ
- 巻3-462 今よりは秋風寒く吹きなむを如何かひとり長き夜を寝む
- 巻3-464 秋さらば見つつ偲へと妹が植ゑしやどのなでしこ咲きにけるかも
- 巻3-465 うつせみの世は常なしと知るものを秋風寒み偲ひつるかも
- 巻3-466 我がやどに花ぞ咲きたるそを見れど心も行かずはしきやし・・・(長歌)
- 巻3-467 時はしもいつもあらむを心痛くい行く我妹かみどり子を置きて
- 巻3-468 出でて行く道知らませばあらかじめ妹を留めむ関も置かましを
- 巻3-469 妹が見しやどに花咲き時は経ぬ我が泣く涙いまだ干なくに
- 巻3-470 かくのみにありけるものを妹も我れも千年のごとく頼みたりけり
- 巻3-471 家離りいます我妹を留めかね山隠りつれ心どもなし
- 巻3-472 世間し常かくのみとかつ知れど痛き心は忍びかねつも
- 巻3-473 佐保山にたなびく霞見るごとに妹を思ひ出で泣かぬ日はなし
- 巻3-474 昔こそ外にも見しか我妹子が奥城と思へばはしき佐保山
- 巻3-475 かけまくもあやに畏し言はまくもゆゆしきかも我が大君・・・(長歌)
- 巻3-476 我が大王天知らさむと思はねばおほにそ見ける和束杣山
- 巻3-477 あしひきの山さへ光り咲く花の散りぬるごとき我が大君かも
- 巻3-478 かけまくもあやに畏しわが大君皇子の命もののふの・・・(長歌)
- 巻3-479 愛しきかも皇子の命のあり通ひ見しし活道の道は荒れにけり
- 巻3-480 大伴の名に負ふ靫帯びて万代に頼みし心いづくか寄せむ
- 巻4-611 今更に妹に逢はめやと思へかもここだわが胸いぶせくあるらむ
- 巻4-612 なかなかに黙もあらましを何すとか相見そめけむ遂げざらまくに
- 巻4-680 けだしくも人の中言聞かせかもここだく待てど君が来まさぬ
- 巻4-681 なかなかに絶ゆとし言はばかくばかり息の緒にして我れ恋ひめやも
- 巻4-682 思ふらむ人にあらなくにねもころに心尽して恋ふる我れかも
- 巻4-691 ももしきの大宮人は多かれど心に乗りて思ほゆる妹
- 巻4-692 うはへなき妹にもあるかもかくばかり人の心を尽さく思へば
- 巻4-700 かくしてやなほや退らむ近からぬ道の間をなづみ参来て
- 巻4-705 はねかづら今する妹を夢に見て心のうちに恋ひ渡るかも
- 巻4-714 心には思ひわたれどよしをなみ外のみにして嘆きぞ我がする
- 巻4-715 千鳥鳴く佐保の川門の清き瀬を馬うち渡し何時か通はむ
- 巻4-716 夜昼といふ別き知らず我が恋ふる心はけだし夢に見えきや
- 巻4-717 つれもなくあるらむ人を片思ひに我れは思へば苦しくもあるか
- 巻4-718 思はぬに妹が笑まひを夢に見て心の内に燃えつつそ居る
- 巻4-719 ますらをと思へる我れをかくばかりみつれにみつれ片思をせむ
- 巻4-720 むらきもの心砕けてかくばかり我が恋ふらくを知らずかあるらむ
- 巻4-722 かくばかり恋ひつつあらずは石木にもならましものを物思はずして
- 巻4-727 忘れ草我が下紐に付けたれど醜の醜草言にしありけり
- 巻4-728 人もなき国もあらぬか我妹子とたづさはり行きて副ひて居らむ
- 巻4-732 今しはし名の惜しけくも我れはなし妹によりては千たび立つとも
- 巻4-733 うつせみの世やも二行く何すとか妹に逢はずて我がひとり寝む
- 巻4-734 我が思ひかくてあらずは玉にもがまことも妹が手に巻かれなむ
- 巻4-736 (未)
- 巻4-739 (未)
- 巻4-740 (未)
- 巻4-741 夢の逢ひは苦しかりけりおどろきて掻き探れども手にも触れねば
- 巻4-742 一重のみ妹が結ばむ帯をすら三重結ぶべく我が身はなりぬ
- 巻4-743 我が恋は千引の石を七ばかり首に懸けむも神のまにまに
- 巻4-744 夕さらば屋戸開け設けて我れ待たむ夢に相見に来むといふ人を
- 巻4-745 朝夕に見む時さへや我妹子が見れど見ぬごとなほ恋しけむ
- 巻4-746 生ける世に我はいまだ見ず言絶えてかくおもしろく縫へる袋は
- 巻4-747 我妹子が形見の衣下に着て直に逢ふまでは我れ脱かめやも
- 巻4-748 恋ひ死なむそこも同じぞ何せむに人目人言言痛み我れせむ
- 巻4-749 夢にだに見えばこそあらめかくばかり見えずしあるは恋ひて死ねとか
- 巻4-750 思ひ絶えわびにしものを中々に何か苦しく相見そめけむ
- 巻4-751 相見ては幾日も経ぬを幾許くもくるひにくるひ思ほゆるかも
- 巻4-752 かくばかり面影にのみ思ほえばいかにかもせむ人目繁くて
- 巻4-753 相見てはしましも恋はなぎむかと思へどいよよ恋ひまさりけり
- 巻4-754 夜のほどろ我が出でて来れば我妹子が思へりしくし面影に見ゆ
- 巻4-755 夜のほどろ出でつつ来らく度数多くなれば我が胸断ち焼くごとし
- 巻4-764 百年に老舌出でてよよむとも我れはいとはじ恋ひは増すとも
- 巻4-765 一重山隔れるものを月夜よみ門に出で立ち妹か待つらむ
- 巻4-767 都路を遠みか妹がこのころは祈ひて寝れど夢に見え来ぬ
- 巻4-768 今知らす久邇の都に妹に逢はず久しくなりぬ行きて早見な
- 巻4-769 ひさかたの雨の降る日をただひとり山辺に居ればいぶせかりけり
- 巻4-770 (未)
- 巻4-771 (未)
- 巻4-772 (未)
- 巻4-773 (未)
- 巻4-774 (未)
- 巻4-775 鶉鳴く古りにし郷ゆ思へどもなにそも妹に逢ふよしもなき
- 巻4-777 我妹子がやどの籬を見に行かばけだし門より帰してむかも
- 巻4-778 うつたへに籬の姿見まく欲り行かむと言へや君を見にこそ
- 巻4-779 板葺の黒木の屋根は山近し明日の日取りて持ちて参り来む
- 巻4-780 黒木取り草も刈りつつ仕へめどいそしきわけとほめむともあらず
- 巻4-781 ぬばたまの昨夜は帰しつ今夜さへ我れを帰すな道の長手を
- 巻4-783 をととしの先つ年より今年まで恋ふれどなぞも妹に逢ひかたき
- 巻4-784 うつつにはさらにもえ言はず夢にだに妹が手本を卷き寝とし見ば
- 巻4-785 我がやどの草の上白く置く露の身も惜しからず妹に逢はずあれば
- 巻4-786 春の雨はいやしき降るに梅の花いまだ咲かなくいと若みかも
- 巻4-787 夢のごと思ほゆるかもはしきやし君が使ひの数多く通へば
- 巻4-788 うら若み花咲きかたき梅を植ゑて人の言繁み思ひぞ我がする
- 巻4-789 心ぐく思ほゆるかも春霞たなびく時に言の通へば
- 巻4-790 春風の音にし出なばありさりて今ならずとも君がまにまに
- 巻6-994 ふりさけて若月見ればひと目見し人の眉引き思ほゆるかも
- 巻6-1029 河口の野辺に廬りて夜の経れば妹が手本し思ほゆるかも
- 巻6-1032 大君の行幸のまにま我妹子が手枕まかず月ぞ経にける
- 巻6-1033 御食つ国 志摩の海人ならし真熊野の小舟に乗りて沖へ漕ぐ見ゆ
- 巻6-1035 田跡川の瀧を清みかいにしへゆ宮仕へけむ多芸の野の上に
- 巻6-1036 関なくは帰りにだにもうち行きて妹が手枕まきて寝ましを
- 巻6-1037 今造る久邇の都は山川の清けき見ればうべ知らすらし
- 巻6-1040 ひさかたの雨は降りしけ思ふ子が屋戸に今夜は明かして行かむ
- 巻6-1043 たまきはる命は知らず松が枝を結ぶ心は長くとぞ思ふ
- 巻8-1441 うち霧らし雪は降りつつしかすがに吾家の園に鶯鳴くも
- 巻8-1446 春の野にあさる雉の妻恋ひにおのがあたりを人に知れつつ
- 巻8-1448 我がやどに蒔きしなでしこいつしかも花に咲きなむなそへつつ見む
- 巻8-1462 我が君に戯奴は恋ふらし賜りたる茅花を喫めどいや痩せに痩す
- 巻8-1463 我妹子が形見の合歓木は花のみに咲きてけだしく実にならじかも
- 巻8-1464 春霞たなびく山の隔れれば妹に逢はずて月そ経にける
- 巻8-1477 (未)
- 巻8-1478 (未)
- 巻8-1479 (未)
- 巻8-1485 (未)
- 巻8-1486 (未)
- 巻8-1487 (未)
- 巻8-1488 (未)
- 巻8-1489 (未)
- 巻8-1490 (未)
- 巻8-1491 (未)
- 巻8-1494 (未)
- 巻8-1495 (未)
- 巻8-1496 (未)
- 巻8-1507 いかといかとある我がやどに百枝さし生ふる橘玉に貫く・・・(長歌)
- 巻8-1508 望ぐたち清き月夜に我妹子に見せむと思ひしやどの橘
- 巻8-1509 妹が見て後も鳴かなむ霍公鳥花橘を地に散らしつ
- 巻8-1510 なでしこは咲きて散りぬと人は言へど我が標めし野の花にあらめやも
- 巻8-1554 大君の三笠の山の黄葉は今日の時雨に散りか過ぎなむ
- 巻8-1563 聞きつやと妹が問はせる雁がねはまことも遠く雲隠るなり
- 巻8-1565 我が宿の一群萩を思ふ子に見せずほとほと散らしつるかも