大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

額田王の歌(索引)

  1. 巻1-7  秋の野のみ草刈り葺き宿れりし宇治の宮処の仮廬し思ほゆ
  2. 巻1-8  熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな
  3. 巻1-9  莫囂円隣之大相七兄爪謁気我が背子がい立たせりけむ厳橿が本
  4. 巻1-16  冬こもり春さり来れば鳴かざりし鳥も来鳴きぬ咲かざりし・・・長歌
  5. 巻1-17  味酒三輪の山あをによし奈良の山の山の際に・・・長歌
  6. 巻1-18  三輪山をしかも隠すか雲だにも情あらなむ隠さふべしや
  7. 巻1-20  あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る
  8. 巻2-112 古に恋ふらむ鳥は霍公鳥けだしや鳴きしわが念へる如
  9. 巻2-113 み吉野の玉松が枝は愛しきかも君が御言を持ちて通はく
  10. 巻2-151 かからむとかねて知りせば大御船泊てし泊りに標結はましを
  11. 巻2-155 やすみししわご大君の恐きや御陵仕ふる山科の・・・長歌
  12. 巻4-488 君待つと我が恋ひをればわが屋戸のすだれ動かし秋の風吹く
  13. 巻8-1606 (巻4-488と重出)

 

額田王

 万葉初期(第1期)の代表的な女流歌人(生没年未詳)。はじめ大海人皇子天武天皇)に愛されて十市皇女を産み、のち天智天皇に召された。十市皇女天智天皇の子・大友皇子弘文天皇)の妃となったが、壬申の乱大友皇子大海人皇子に敗れ自死、のち皇女も急逝した。額田王は、近江大津宮への遷都から壬申の乱前後の波乱と緊張に満ちた時代を生きた。『万葉集』に残る長歌3首、短歌10首(重出1首)は、ほとんど斉明・天智両朝の時期のもので、格調の高い佳品が多い。その抒情性と技巧は、女のみやび歌、女歌の流れとして大伴坂上郎女らを経て、平安時代の女流文学へ受け継がれていった。

『万葉集』主な歌人の歌(索引)