1068番~1417番
- 天の海に雲の波立ち月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ
- 常はさね思はぬものをこの月の過ぎ隠らまく惜しき宵かも
- 大夫の弓末振り起し狩高の野辺さへ清く照る月夜かも
- 山の端にいさよふ月を出でむかと待ちつつ居るに夜ぞ更けにける
- 明日の宵照らむ月夜は片寄りに今夜に寄りて夜長からなむ
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- 春日山押して照らせるこの月は妹が庭にも清けかりけり
- 海原の道遠みかも月読の明少なき夜は更けにつつ
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- ぬばたまの夜渡る月を留めむに西の山辺に関もあらぬかも
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- 穴師川川波立ちぬ巻向の弓月が岳に雲居立てるらし
- あしひきの山川の瀬の響なへに弓月が嶽に雲立ち渡る
- 大海に島もあらなくに海原のたゆたふ波に立てる白雲
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- 通るべく雨はな降りそ我妹子が形見の衣我れ下に着り
- 鳴る神の音のみ聞きし巻向の桧原の山を今日見つるかも
- 三諸のその山なみに子らが手を巻向山は継ぎしよろしも
- 我が衣色取り染めむ味酒三室の山は黄葉しにけり
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- 紀路にこそ妹山ありといへ玉櫛笥二上山も妹こそありけれ
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- 巻向の穴師の川ゆ行く水の絶ゆることなくまたかへり見む
- ぬばたまの夜さり来れば巻向の川音高しも嵐かも疾き
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- この小川霧ぞ結べるたぎちゆく走井の上に言挙げせねど
- 我が紐を妹が手もちて結八川またかへり見む万代までに
- 妹が紐結八河内をいにしへのみな人見きとここを誰れ知る
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- いにしへにありけむ人も吾が如か三輪の檜原に挿頭折りけむ
- 行く川の過ぎにし人の手折らねばうらぶれ立てり三輪の桧原は
- み吉野の青根が峰の蘿席誰れか織りけむ経緯なしに
- 妹らがり我が通ひ道の細竹薄我れし通はば靡け細竹原
- 山の際に渡る秋沙の行きて居むその川の瀬に波立つなゆめ
- 佐保川の清き川原に鳴く千鳥かはづと二つ忘れかねつも
- 佐保川に騒ける千鳥さ夜更けて汝が声聞けば寝ねかてなくに
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- 琴取れば嘆き先立つけだしくも琴の下樋に妻や隠れる
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- 命をし幸くよけむと石走る垂水の水をむすびて飲みつ
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- 楽浪の連庫山に雲居れば雨ぞ降るちふ帰り来我が背
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- 足柄の箱根飛び越え行く鶴の羨しき見れば大和し思ほゆ
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- 海人小舟帆かも張れると見るまでに鞆の浦廻に浪立てり見ゆ
- ま幸くてまた還り見む丈夫の手に巻き持たる鞆の浦廻を
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- あさりする海人娘子らが袖通り濡れにし衣干せど乾かず
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- 背の山に直に向へる妹の山事許せやも打橋渡す
- 紀の国の雑賀の浦に出で見れば海人の燈火波の間ゆ見ゆ
- 麻衣着ればなつかし紀の国の妹背の山に麻蒔け我妹
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- 名草山言にしありけり我が恋ふる千重の一重も慰めなくに
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- 潮満たばいかにせむとか海神の神が手渡る海人娘子ども
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- 天霧らひ日方吹くらし水茎の岡の水門に波立ちわたる
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- 大汝少御神の作らしし妹背の山を見らくしよしも
- 我妹子と見つつ偲はむ沖つ藻の花咲きたらば我れに告げこそ
- 君がため浮沼の池の菱摘むと我が染めし袖濡れにけるかも
- 妹がため菅の実摘みに行きし我れ山道に惑ひこの日暮らしつ
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- 楽浪の志賀津の海人は我れなしに潜きはなせそ波立たずとも
- 大船に楫しもあらなむ君なしに潜きせめやも波立たずとも
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- 春霞井の上ゆ直に道はあれど君に逢はむとた廻り来も
- 道の辺の草深百合の花笑みに笑みしがからに妻と言ふべしや
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- 暁と夜烏鳴けどこの岡の木末の上はいまだ静けし
- 西の市にただ独り出でて目並べず買ひてし絹の商じこりかも
- 今年行く新防人が麻衣肩のまよひは誰れか取り見む
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- 子らが手を巻向山は常にあれど過ぎにし人に行き巻かめやも
- 巻向の山辺響みて行く水の水沫のごとし世の人我れは
- こもりくの泊瀬の山に照る月は満ち欠けしけり人の常なき
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- 住吉の出見の浜の柴な刈りそね娘子らが赤裳の裾の濡れて行かむ見む
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- 天にある日売菅原の草な刈りそね蜷の腸か黒き髪に芥し付くも
- 夏蔭の妻屋の下に衣裁つ我妹うら設けて我がため裁たばやや大に裁て
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- 君がため手力疲れ織りたる衣ぞ春さらばいかなる色に擢りてば良けむ
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- 梯立の倉橋川の石の橋はも男盛りに我が渡りてし石の橋はも
- 梯立の倉橋川の川の静菅我が刈りて笠にも編まぬ川の静菅
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- 垣越しに犬呼び越して鳥猟する君青山の茂き山辺に馬休め君
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- 春日なる御笠の山に月の舟出づ遊士の飲む酒杯に影に見えつつ
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- をちこちの礒の中なる白玉を人に知らえず見むよしもがも
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- 大海を候ふ港事しあらばいづへゆ君は我を率しのがむ
- 風吹きて海は荒るとも明日と言はば久しくあるべし君がまにまに
- 雲隠る小島の神の畏けば目こそば隔て心隔てや
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- 海の底沈く白玉風吹きて海は荒るとも採らずはやまじ
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- 膝に伏す玉の小琴の殊なくはいたくここだく我れ恋ひめやも
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- 真玉つく越智の菅原我れ刈らず人の刈らまく惜しき菅原
- 山高み夕日隠りぬ浅茅原後見むために標結はましを
- 言痛くはかもかもせむを岩代の野辺の下草我れし刈りてば
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- をみなへし佐紀沢の辺の真葛原いつかも繰りて我が衣に着む
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- かくしてやなほや老いなむみ雪降る大荒木野の小竹にあらなくに
- 近江のや八橋の小竹を矢はがずてまことありえむや恋しきものを
- 月草に衣は摺らむ朝露に濡れての後はうつろひぬとも
- 我が心ゆたにたゆたに浮蓴辺にも沖にも寄りかつましじ
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- 向つ峰に立てる桃の木ならむやと人ぞささやく汝が心ゆめ
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- 見まく欲り恋ひつつ待ちし秋萩は花のみ咲きて成らずかもあらむ
- 我妹子が屋前の秋萩花よりは実になりてこそ恋ひまさりけれ
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- 天雲に近く光りて鳴る神の見れば恐し見ねば悲しも
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- 御幣取り三輪の祝が斎ふ杉原薪伐りほとほとしくに手斧取らえぬ
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- 幸ひのいかなる人か黒髪の白くなるまで妹が音を聞く
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