大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

柿本人麻呂の歌(索引)

  1. 巻1-29  玉襷畝火の山の橿原の日知の御代ゆ生れましし・・・長歌
  2. 巻1-30  楽浪の志賀の唐崎幸くあれど大宮人の船待ちかねつ
  3. 巻1-31  楽浪の志賀の大わだ淀むとも昔の人にまたも逢はめやも
  4. 巻1-36  やすみししわご大君の聞しめす天の下に国はしも・・・長歌
  5. 巻1-37  見れど飽かぬ吉野の河の常滑の絶ゆることなくまた還り見む
  6. 巻1-38  やすみししわが大君神ながら神さびせすと吉野川・・・長歌
  7. 巻1-39  山川も寄りて奉ふる神ながらたぎつ河内に船出するかも
  8. 巻1-40  嗚呼見の浦に船乗りすらむをとめらが玉裳の裾に潮満つらむか
  9. 巻1-41  釧着く手節の崎に今日もかも大宮人の玉藻刈るらむ
  10. 巻1-42  潮騒に伊良虞の島辺こぐ船に妹乗るらむか荒き島廻を
  11. 巻1-45  やすみししわが大君高照らす日の皇子神ながら・・・長歌
  12. 巻1-46  阿騎の野に宿る旅人うちなびき寐も寝らめやも古おもふに
  13. 巻1-47  ま草刈る荒野にはあれど黄葉の過ぎにし君が形見とぞ来し
  14. 巻1-48  東の野に炎の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ
  15. 巻1-49  日並皇子の尊の馬並めて御猟立たしし時は来向ふ
  16. 巻2-131 石見の海角の浦廻を浦なしと人こそ見らめ潟なしと・・・長歌
  17. 巻2-132 石見のや高角山の木の際より我が振る袖を妹見つらむか
  18. 巻2-133 小竹の葉はみ山もさやにさやげどもわれは妹思ふ別れ来ぬれば
  19. 巻2-134 石見なる高角山の木の間ゆも我が袖振るを妹見けむかも
  20. 巻2-135 つのさはふ石見の海の言さへく唐の崎なる海石にぞ・・・長歌
  21. 巻2-136 青駒が足掻きを速み雲居にぞ妹があたりを過ぎて来にける
  22. 巻2-137 秋山に落つる黄葉しましくはな散り乱ひそ妹があたり見む
  23. 巻2-138 石見の海津の浦をなみ浦なしと人こそ見らめ潟なしと・・・長歌
  24. 巻2-139 石見の海打歌の山の木の間より我が振る袖を妹見つらむか
  25. 巻2-167 天地の初めの時のひさかたの天の河原に八百万・・・長歌
  26. 巻2-168 ひさかたの天見るごとく仰ぎ見し皇子の御門の荒れまく惜しも
  27. 巻2-169 あかねさす日は照らせれどぬばたまの夜渡る月の隠らく惜しも
  28. 巻2-170 嶋の宮まがりの池の放ち鳥人目に恋ひて池に潜かず
  29. 巻2-194 飛ぶ鳥の明日香の川の上つ瀬に生ふる玉藻は下つ瀬に・・・長歌
  30. 巻2-195 敷栲の袖交へし君玉垂の越智野過ぎ行くまたも逢はめやも
  31. 巻2-196 飛ぶ鳥の明日香の川の上つ瀬に石橋渡し下つ瀬に・・・長歌
  32. 巻2-197 明日香川しがらみ渡し塞かませば流るる水ものどにかあらまし
  33. 巻2-198 明日香川明日だに見むと思へやも我が大君の御名忘れせぬ
  34. 巻2-199 かけまくもゆゆしきかも言はまくもあやに畏き明日香の・・・長歌
  35. 巻2-200 ひさかたの天知らしぬる君ゆゑに日月も知らず恋ひわたるかも
  36. 巻2-201 埴安の池の堤の隠り沼の行くへを知らに舎人は惑ふ
  37. 巻2-207 天飛ぶや軽の路は吾妹子が里にしあればねもころに・・・長歌
  38. 巻2-208 秋山の黄葉を茂み迷ゐぬる妹が求めむ山道知らずも
  39. 巻2-209 黄葉の散りゆくなへに玉梓の使を見れば逢ひし日思ほゆ
  40. 巻2-210 うつせみと思ひし時に取り持ちてわが二人見し走出の・・・長歌
  41. 巻2-211 去年見てし秋の月夜は照らせども相見し妹はいや年さかる
  42. 巻2-212 衾道を引手の山に妹を置きて山道を行けば生けりともなし
  43. 巻2-213 うつそみと思ひし時に携はり我が二人見し出で立ちの・・・長歌
  44. 巻2-214 去年見てし秋の月夜は渡れども相見し妹はいや年離る
  45. 巻2-215 衾道を引出の山に妹を置きて山道思ふに生けるともなし
  46. 巻2-216 家に来て我が屋を見れば玉床の外に向きけり妹が木枕
  47. 巻2-217 秋山のしたへる妹なよ竹のとをよる子らはいかさまに・・・長歌
  48. 巻2-218 楽浪の志賀津の子らが罷道の川瀬の道を見れば寂しも
  49. 巻2-219 そら数ふ大津の子が逢ひし日におほに見しかば今ぞ悔しき
  50. 巻2-220 玉藻よし讃岐の国は国からか見れども飽かぬ神からか・・・長歌
  51. 巻2-221 妻もあらば摘みて食げまし沙弥の山野の上のうはぎ過ぎにけらずや
  52. 巻2-222 沖つ波来寄する荒磯を敷栲の枕とまきて寝せる君かも
  53. 巻2-223 鴨山の岩根し枕けるわれをかも知らにと妹が待ちつつあるらむ
  54. 巻3-235 大君は神にしませば天雲の雷の上に廬りせるかも
  55. 巻3-239 やすみししわが大君高照らすわが日の皇子の馬並めて・・・長歌
  56. 巻3-240 ひさかたの天行く月を網に刺し我が大君は蓋にせり
  57. 巻3-241 大君は神にしませば真木の立つ荒山中に海を成すかも
  58. 巻3-249 御津の崎波を恐み隠江の船なる君は野島にと宣る
  59. 巻3-250 玉藻刈る敏馬を過ぎて夏草の野島が崎に舟近づきぬ
  60. 巻3-251 淡路の野島が崎の浜風に妹が結びし紐吹きかへす
  61. 巻3-252 荒栲の藤江の浦に鱸釣る白水郎とか見らむ旅行くわれを
  62. 巻3-253 稲日野も行き過ぎかてに思へれば心恋しき可古の島見ゆ
  63. 巻3-254 ともしびの明石大門に入らむ日や榜ぎ別れなむ家のあたり見ず
  64. 巻3-255 天離る夷の長道ゆ恋ひ来れば明石の門より大和島見ゆ
  65. 巻3-256 飼飯の海の庭好くあらし刈薦の乱れ出づ見ゆ海人の釣船
  66. 巻3-261 (未)
  67. 巻3-262 (未)
  68. 巻3-264 もののふの八十氏河の網代木に いさよふ波の行く方知らずも
  69. 巻3-266 淡海の海夕浪千鳥汝が鳴けば心もしのに古思ほゆ
  70. 巻3-303 名ぐはしき稲見の海の沖つ波千重に隠りぬ大和島根は
  71. 巻3-304 大君の遠の朝廷とあり通ふ島門を見れば神代し思ほゆ
  72. 巻3-426 草枕旅の宿に誰が夫か国忘れたる家待たなくに
  73. 巻3-428 こもりくの泊瀬の山の山の際にいさよふ雲は妹にかもあらむ
  74. 巻3-429 山の際ゆ出雲の子らは霧なれや吉野の山の嶺にたなびく
  75. 巻3-430 八雲さす出雲の子らが黒髪は吉野の川の奥になづさふ
  76. 巻4-496 み熊野の浦の浜木綿百重なす心は思へど直に逢はぬかも
  77. 巻4-497 古にありけむ人もわがごとか妹に恋ひつつ寝ねかてずけむ
  78. 巻4-498 今のみのわざにはあらず古の人そまさりて音にさへ泣きし
  79. 巻4-499 百重にも来しかぬかもと思へかも君が使ひの見れど飽かざらむ
  80. 巻4-501 娘子らが袖布留山の瑞垣の久しき時ゆ思ひき我は
  81. 巻4-502 夏野行く牡鹿の角の束の間も妹が心を忘れて思へや
  82. 巻4-503 玉衣のさゐさゐしづみ家の妹に物言はず来にて思ひかねつも
  83. 巻9-1710 我妹子が赤裳ひづちて植ゑし田を刈りて収めむ倉無の浜
  84. 巻9-1711 百伝ふ八十の島廻を漕ぎ来れど粟の小島は見れど飽かぬかも
  85. 巻9-1761 三諸の神奈備山に立ち向かふ御垣の山に秋萩の・・・長歌
  86. 巻9-1762 明日の宵逢はざらめやもあしひきの山彦響め呼びたて鳴くも
  87. 巻15-3611 大船に真楫しじ貫き海原を漕ぎ出て渡る月人壮士

 

柿本人麻呂

 天武・持統・文武の三代にわたって活躍(生没年未詳)。皇子、皇女の死に際しての挽歌や天皇行幸に供奉しての作が多いところから、歌をもって宮廷に仕えた宮廷歌人かというが、その地位、足跡の詳細はわからない。雄大荘重な長歌の形式を完成する一方、短歌においても叙情詩人として高い成熟度を示し、万葉歌人中の第一人者とされる。天武朝に『柿本人麻呂歌集』を筆録、編纂し、後の歌風の基礎を築いた。『万葉集』には、題詞に人麻呂作とある歌が80余首(諸説あり)あり、それ以外に『柿本人麻呂歌集』から採ったという歌が375首ある。

『万葉集』主な歌人の歌(索引)