大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

妻といふべしや・・・巻第7-1257

訓読 >>>

道の辺(へ)の草深百合(くさぶかゆり)の花笑(はなゑ)みに笑みしがからに妻と言ふべしや

 

要旨 >>>

道のほとりの繁みに咲く百合の花のように、ちょっと微笑みかけたからといって、妻とは決めてかからないでください。

 

鑑賞 >>>

 ちょっと微笑みかけただけで勘違いし、なれなれしく振舞ってくる男に対し、女が贈った歌です。古今、女性からわずかに微笑みかけられただけで、あるいはちょっと優しくされただけで、「彼女、絶対に俺に気がある!」と勘違いする男は多いようです。

 ただ、ここでの解釈は、男の誘いを女がきっぱり断る体にしましたが、「それだけで、もう私を妻にしたつもりでいるのですね」と、若干の嬉しさが込められているようにも感じられるところです。複雑なるかな、女心。

 

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