3890番~4031番
- 我が背子を我が松原よ見わたせば海人娘子ども玉藻刈る見ゆ
- 荒津の海潮干潮満ち時はあれどいづれの時か我が恋ひざらむ
- 礒ごとに海人の釣舟泊てにけり我が船泊てむ礒の知らなく
- 昨日こそ船出はせしか鯨魚取り比治奇の灘を今日見つるかも
- 淡路島門渡る船の楫間にも我れは忘れず家をしぞ思ふ
- 玉映やす武庫の渡りに天伝ふ日の暮れ行けば家をしぞ思ふ
- 家にてもたゆたふ命波の上に浮きてし居れば奥処知らずも
- 大海の奥処も知らず行く我れをいつ来まさむと問ひし子らはも
- 大船の上にし居れば天雲のたどきも知らず歌ひこそ我が背
- 海人娘子漁り焚く火のおほほしく角の松原思ほゆるかも
- 織女し舟乗りすらしまそ鏡清き月夜に雲立ちわたる
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- あしひきの山谷越えて野づかさに今は鳴くらむうぐひすの声
- 橘のにほへる香かも霍公鳥鳴く夜の雨にうつろひぬらむ
- 霍公鳥夜声なつかし網ささば花は過ぐとも離れずか鳴かむ
- 橘のにほへる園に霍公鳥鳴くと人告ぐ網ささましを
- あをによし奈良の都は古りぬれどもと霍公鳥鳴かずあらなくに
- 鶉鳴く古しと人は思へれど花橘のにほふこの宿
- 杜若衣に摺り付け大夫の着襲ひ狩する月は来にけり
- 降る雪の白髪までに大君に仕へまつれば貴くもあるか
- 天の下すでに覆ひて降る雪の光りを見れば貴くもあるか
- 山の狭そことも見えず一昨日も昨日も今日も雪の降れれば
- 新しき年の初めに豊の年しるすとならし雪の降れるは
- 大宮の内にも外にも光るまで降れる白雪見れど飽かぬかも
- 草枕旅行く君を幸くあれと斎瓮据ゑつ我が床の辺に
- 今のごと恋しく君が思ほえばいかにかもせむするすべのなさ
- 旅に去にし君しも継ぎて夢に見ゆ我が片恋の繁ければかも
- 道の中国つ御神は旅行きもし知らぬ君を恵みたまはな
- 君により我が名はすでに龍田山絶えたる恋の繁きころかも
- 須磨人の海辺常去らず焼く塩の辛き恋をも我れはするかも
- ありさりて後も逢はむと思へこそ露の命も継ぎつつ渡れ
- なかなかに死なば安けむ君が目を見ず久ならばすべなかるべし
- 隠り沼の下ゆ恋ひあまり白波のいちしろく出でぬ人の知るべく
- 草枕旅にしばしばかくのみや君を遣りつつ我が恋ひ居らむ
- 草枕旅去にし君が帰り来む月日を知らむすべの知らなく
- かくのみや我が恋ひ居らむぬばたまの夜の紐だに解き放けずして
- 里近く君が業りなば恋ひめやともとな思ひし我れぞ悔しき
- 万代に心は解けて我が背子が捻みし手見つつ忍びかねつも
- うぐひすの鳴くくら谷にうちはめて焼けは死ぬとも君をし待たむ
- 松の花花数にしも我が背子が思へらなくにもとな咲きつつ
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- 雁がねは使ひに来むと騒くらむ秋風寒みその川の上に
- 馬並めていざ打ち行かな渋谿の清き礒廻に寄する波見に
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- 天離る鄙治めにと大君の任けのまにまに出でて来し・・・(長歌)
- ま幸くと言ひてしものを白雲に立ちたなびくと聞けば悲しも
- かからむとかねて知りせば越の海の荒礒の波も見せましものを
- 庭に降る雪は千重敷くしかのみに思ひて君を我が待たなくに
- 白波の寄する礒廻を漕ぐ舟の楫取る間なく思ほえし君
- 大君の任けのまにまにますらをの心振り起こしあしひきの・・・(長歌)
- 世間は数なきものか春花の散りのまがひに死ぬべき思へば
- 山川のそきへを遠みはしきよし妹を相見ずかくや嘆かむ
- 春の花今は盛りににほふらむ折りてかざさむ手力もがも
- 鴬の鳴き散らすらむ春の花いつしか君と手折りかざさむ
- 山峽に咲ける桜をただ一目君に見せてば何をか思はむ
- 鴬の来鳴く山吹うたがたも君が手触れず花散らめやも
- 大君の任けのまにまにしなざかる越を治めに出でて来し・・・(長歌)
- あしひきの山桜花一目だに君とし見てば我れ恋ひめやも
- 山吹の茂み飛び潜く鴬の声を聞くらむ君は羨しも
- 出で立たむ力をなみと隠り居て君に恋ふるに心どもなし
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- 妹も我れも心は同じ比へれどいやなつかしく相見れば・・・(長歌)
- あらたまの年返るまで相見ねば心もしのに思ほゆるかも
- ぬばたまの夢にはもとな相見れど直にあらねば恋ひやまずけり
- あしひきの山き隔りて遠けども心し行けば夢に見えけり
- 春花のうつろふまでに相見ねば月日数みつつ妹待つらむぞ
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- もののふの八十伴の男の思ふどち心遣らむと馬並めて・・・(長歌)
- 布勢の海の沖つ白波あり通ひいや年のはに見つつ偲はむ
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- 天離る鄙に名かかす越の中国内ことごと山はしも・・・(長歌)
- 立山に降り置ける雪を常夏に見れども飽かず神からならし
- 片貝の川の瀬清く行く水の絶ゆることなくあり通ひ見む
- 朝日さしそがひに見ゆる神ながら御名に帯ばせる白雲の・・・(長歌)
- 立山に降り置ける雪の常夏に消ずてわたるは神ながらとぞ
- 落ちたぎつ片貝川の絶えぬごと今見る人もやまず通はむ
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- 婦負の野のすすき押しなべ降る雪に宿借る今日し悲しく思ほゆ
- あゆの風 いたく吹くらし奈呉の海人の釣する小船漕ぎ隠る見ゆ
- 港風寒く吹くらし奈呉の江に妻呼び交し鶴多に鳴く
- 天離る鄙ともしるくここだくも繁き恋かもなぐる日もなく
- 越の海の信濃の浜を行き暮らし長き春日も忘れて思へや
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