大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

東歌(12)・・・巻第14‐3399

訓読 >>>

信濃道(しなぬぢ)は今の墾(は)り道 刈りばねに足踏ましなむ沓(くつ)はけ我(わ)が背

 

要旨 >>>

信濃道(しなのぢ)は切り拓いたばかりの道です。きっと切り株をお踏みになるでしょう。靴を履いてお越しになって下さい、あなた。

 

鑑賞 >>>

 「信濃道」は信濃の国府へ行く道。「墾る」は開墾する意。信濃路は、大宝2年(702年)から10余年かかって開通した道で、道が完成して間もないころの歌とみられます。「刈りばね」は木の切り株。「踏むまし」は「踏む」の敬語。このころの一般庶民は裸足で、沓(くつ)は正式なものは革製でしたが、ふつうは布や藁(わら)などで作られました。この歌は、女の許へ通ってきた男が帰ろうとする時に女が言ったものです。