大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

ありありて後も逢はむと言のみを・・・巻第12-3113~3114

訓読 >>>

3113
ありありて後(のち)も逢はむと言(こと)のみを堅(かた)く言ひつつ逢ふとはなしに

3114
極(きは)まりて我(わ)れも逢はむと思へども人の言(こと)こそ繁(しげ)き君にあれ

 

要旨 >>>

〈3113〉ずっとこのままの気持ちでいて、後に逢おうと堅く約束しながら、一向に逢ってくれませんね。

〈3114〉この上なく私もお逢いしたいと思っているのですが、世間の噂が多いあなたですから。

 

鑑賞 >>>

 3113は男の歌、3114はそれに返した女の歌です。「ありありて」は、変わらぬ気持ちを持ち続けて。生き続けて。3114の「極まりて」は、甚だ、この上なく。