大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

我が玉にせむ知れる時だに・・・巻第11-2446~2447

訓読 >>>

2446
白玉(しらたま)を巻(ま)きてぞ持てる今よりは我(わ)が玉にせむ知れる時だに
2447
白玉(しらたま)を手に巻(ま)きしより忘れじと思ひけらくは何か終(をは)らむ

 

要旨 >>>

〈2446〉白玉を腕に巻いている今からは、私だけの玉にしよう。せめてこの間だけでも。

〈2447〉白玉を腕に巻いた時から、この玉のことを決して忘れるものかと思ったことは、いつ果てることがあろうか、ありはしない。

 

鑑賞 >>>

 『柿本人麻呂歌集』から「寄物陳思(物に寄せて思いを述べた歌)」2首、すなわち、物に託しながら恋の思いを訴える形の歌です。「白玉」は、真珠のこと。2446の上2句は女と共寝したことの譬え。「知れる時だに」は、関係している間だけでも。相手の女は遊行女婦だったかもしれません。2447は連作で、2446は女に逢った時、2447は別れる時の歌とみられます。