大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

我が紐を妹が手もちて・・・巻第7-1114~1115

訓読 >>>

1114
我(わ)が紐(ひも)を妹(いも)が手もちて結八川(ゆふやがは)またかへり見む万代(よろづよ)までに

1115
妹(いも)が紐(ひも)結八河内(ゆふやかふち)をいにしへのみな人(ひと)見きとここを誰(た)れ知る

 

要旨 >>>

〈1114〉私の着物の下紐をあの子が結い固める、その”結う”の名がついた結八川、この川をまた訪ねて眺めよう、いついつまでも。

〈1115〉あの子が下紐を結うという名の結八川、その河内の景色を昔の人も眺めていたというが、それを誰が知ろう。

 

鑑賞 >>>

 「河を詠む」歌。1114の上2句は「結八川」の「結」を導く序詞。男女が交わったあと、互いに相手の衣の紐を結んで再び逢うまで解かないと誓い合ったことを、序詞の形で言っています。「結八川」は、大和国内の川とみられるものの所在未詳。1115の「妹が紐」は「結八」の枕詞。「結八河内」は、結八河の河内で、「河内」は川の両岸一帯。前の歌と同じ作者が、女の家を出て、女の住む結八川の河内を眺め、しみじみと女を可愛く思う心から詠んだものです。