大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

外のみに見つつ恋ひなむ・・・巻第10-1993

訓読 >>>

外(よそ)のみに見つつ恋ひなむ紅(くれなゐ)の末摘花(すゑつむはな)の色に出(い)でずとも

 

要旨 >>>

せめて遠目にだけでも姿を見て慕っていよう。鮮やかな紅花のように、はっきりと思いを打ち明けなくても。

 

鑑賞 >>>

 作者未詳の「花に寄せる」歌。「外のみに」は、せめて遠目にだけでも。「末摘花」は、紅花(べにばな)の別名で、先の方に咲く花を摘んで強い赤色を製するところからそう呼ばれます。「色に出でずとも」の「色に出づ」は、表面にあらわす意で、恋を打明けていわずとも。