大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

明日よりは我が玉床をうち掃ひ・・・巻第10-2048~2050

訓読 >>>

2048
天の川 川門(かはと)に立ちて我(わ)が恋ひし君来ますなり紐(ひも)解き待たむ

2049
天の川 川門(かはと)に居(を)りて年月(としつき)を恋ひ来(こ)し君に今夜(こよひ)逢へるかも

2050
明日よりは我(わ)が玉床(たまどこ)をうち掃(はら)ひ君と寐(い)ねずてひとりかも寝む

 

要旨 >>>

〈2048〉天の川の舟着き場に立って、私の恋しいあなたがやってくるのを、下紐を解いてお待ちしましょう。

〈2049〉天の川の舟着き場に立ち、一年もの長い月日を恋い焦がれてきたあなた、そのあなたにやっと今夜お逢いできました。

〈2050〉明日からは、この私たちの寝床をきれいにしても、あなたとは寝られず、ひとり寂しく寝なることになるのだろうか。

 

鑑賞 >>>

 七夕の歌。2048の「川門」は、川の流れが門のように狭くなっている所。ここでは船着き場。「来ますなり」の「ます」は、尊敬。「紐」は、下紐。2049の「居り」は、じっとする。「年月を」は、長い間を、一年間を。2050は7日の夜明けに織女がいっている歌で、「玉床」の「玉」は美称。「うち掃ひ」は、床の塵を払う意で、浄めて大切にすること。夫が寝た床であることから尊んで言っています。