大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

巻第20

防人の歌(4)・・・巻第20-4420

訓読 >>> 草枕(くさまくら)旅の丸寝(まるね)の紐(ひも)絶えば我(あ)が手と付けろこれの針(はる)持(も)し 要旨 >>> 旅のごろ寝で、もし着物の紐が切れたなら、私の手が縫うと思ってこの針で付けて下さい。 鑑賞 >>> 武蔵国橘樹郡の防人…

防人の歌(3)・・・巻第20-4373

訓読 >>> 今日(けふ)よりは返り見なくて大君(おほきみ)の醜(しこ)の御楯(みたて)と出で立つ我(わ)れは 要旨 >>> 今日からは、もう決して後を振り返ることなく、大君の醜の御盾として出立するのだ、私は。 鑑賞 >>> 大伴家持が収集したと…

夜のいとまに摘める・・・巻第20-4455~4456

訓読 >>> 4455あかねさす昼は田 賜(た)びてぬばたまの夜のいとまに摘(つ)める芹(せり)これ 4456丈夫(ますらを)と思へるものを太刀(たち)佩(は)きてかにはの田居(たゐ)に芹ぞ摘みける 要旨 >>> 〈4455〉昼間は班田の仕事で忙しく、夜の暇…

防人の歌(2)・・・巻第20-4321~4323

訓読 >>> 4321畏(かしこ)きや命(みこと)被)かがふ)り明日(あす)ゆりや草(かえ)がむた寝む妹(いむ)なしにして 4322我が妻はいたく恋ひらし飲む水に影(かご)さへ見えてよに忘られず 4323時々の花は咲けども何すれぞ母とふ花の咲き出来(でこ…