大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

巻第8

山も狭に咲ける馬酔木の・・・巻第8-1428

訓読 >>> おしてる 難波(なには)を過ぎて うちなびく 草香(くさか)の山を 夕暮(ゆふぐれ)に 我(わ)が越え来れば 山も狭(せ)に 咲ける馬酔木(あしび)の 悪(あ)しからぬ 君をいつしか 行きてはや見む 要旨 >>> 難波を過ぎて、草香の山を夕…

姫百合の知らえぬ恋は・・・巻第8-1500

訓読 >>> 夏の野の茂みに咲ける姫百合(ひめゆり)の知らえぬ恋は苦しきものぞ 要旨 >>> 夏の野の繁みににひっそりと咲いている姫百合、それが人に気づいてもらえないように、あの人に知ってもらえない恋は苦しいものです。 鑑賞 >>> 大伴坂上郎女…

奈良の山なる黒木もち・・・巻第8-1638

訓読 >>> あをによし奈良(なら)の山なる黒木もち造れる室(むろ)は座(ま)せど飽(あ)かぬかも 要旨 >>> 奈良の山にある黒木で造ったこの室は、いつまで居ても飽きることがない。 鑑賞 >>> 長屋王の邸で酒宴があった時に、聖武天皇が詠んだ儀…

蝦鳴く神奈備川に影見えて・・・巻第8-1435

訓読 >>> 蝦(かはず)鳴く神奈備川(かむなびがは)に影(かげ)見えて今か咲くらむ山吹(やまぶき)の花 要旨 >>> 河鹿(かじか)の鳴く神奈備川に影を映して、今は咲いているだろうか、山吹の花は。 鑑賞 >>> 厚見王(あつみのおおきみ)が、山…

この花のひとよのうちに・・・巻第8-1456~1457

訓読 >>> 1456この花の一(ひと)よのうちに百種(ももくさ)の言(こと)そ隠(こも)れる凡(おほ)ろかにすな 1457この花の一(ひと)よのうちは百種(ももくさ)の言(こと)持ちかねて折(を)らえけらずや 要旨 >>> 〈1456〉この花の一枝には、…

桜の花の散れる頃かも・・・巻第8-1458~1459

訓読 >>> 1458屋戸(やど)にある桜の花は今もかも松風(まつかぜ)疾(いた)み土に散るらむ 1459世の中も常にしあらねば屋戸にある桜の花の散れる頃かも 要旨 >>> 〈1458〉あなたのお庭の桜の花は、今頃、松風がひどく吹くので散っているでしょうね…

浅茅が原のつぼすみれ・・・巻第8-1449

訓読 >>> 茅花(つばな)抜く浅茅(あさぢ)の原のつぼすみれ今盛りなり我(あ)が恋ふらくは 要旨 >>> ツバナを引き抜いて食べられる春がやってきました。その浅茅が原に、つぼすみれが真っ盛りに咲いています。そのように、あなたを恋しく思う気持ち…

石走る垂水の上の・・・巻第8-1418

訓読 >>> 石(いは)ばしる垂水(たるみ)の上のさ蕨(わらび)の萌え出づる春になりにけるかも 要旨 >>> 岩の上を勢いよく流れる滝のほとりに、わらびがやわらかに芽吹いている。ああ、春になったのだな。 鑑賞 >>> 巻第8の巻頭歌であり、志貴皇子…

うち霧らし雪は降りつつ・・・巻第8-1441・1446

訓読 >>> 1441うち霧(き)らし雪は降りつつしかすがに吾家(わぎへ)の園(その)に鶯(うぐひす)鳴くも 1446春の野にあさる雉(きぎし)の妻恋(つまご)ひにおのがあたりを人に知れつつ 要旨 >>> 〈1441〉大空を霞(かす)ませるように雪が降りし…

我が背子と二人見ませば・・・巻8-1658

訓読 >>> 我が背子(せこ)と二人見ませば幾許(いくばく)かこの降る雪の嬉(うれ)しからまし 要旨 >>> この美しく降った雪を、お二人で眺めることができましたら、どんなにか嬉しいことでしたでしょう。 鑑賞 >>> 光明(こうみょう)皇后が、聖…