大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

遣新羅使人の歌

遣新羅使人の歌(14)・・・巻第15-3595~3599

訓読 >>> 3652志賀(しか)の海人(あま)の一日(ひとひ)もおちず焼く塩のからき恋をも我(あ)れはするかも 3653志賀の浦に漁(いざ)りする海人(あま)家人(いへびと)の待ち恋ふらむに明かし釣(つ)る魚(うを) 3654可之布江(かしふえ)に鶴(…

遣新羅使人の歌(13)・・・巻第15-3595~3599

訓読 >>> 3595朝開(あさびら)き漕ぎ出(で)て来れば武庫(むこ)の浦の潮干(しほひ)の潟(かた)に鶴(たづ)が声すも 3596我妹子(わぎもこ)が形見(かたみ)に見むを印南都麻(いなみつま)白波(しらなみ)高み外(よそ)にかも見む 3597わたつ…

遣新羅使人の歌(12)・・・巻第15-3605~3609

訓読 >>> 3605わたつみの海に出(い)でたる飾磨川(しかまがは)絶えむ日にこそ我(あ)が恋やまめ 3606玉藻(たまも)刈る処女(をとめ)を過ぎて夏草の野島(のしま)が崎に廬(いほ)りす我(わ)れは 3607白たへの藤江(ふぢゑ)の浦に漁(いざ)り…

遣新羅使人の歌(11)・・・巻第15-3648~3651

訓読 >>> 3648海原(うなはら)の沖辺(おきへ)に灯(とも)し漁(いざ)る火は明かして灯(とも)せ大和島(やまとしま)見む 3649鴨(かも)じもの浮寝(うきね)をすれば蜷(みな)の腸(わた)か黒(ぐろ)き髪に露そ置きにける 3650ひさかたの天(…

遣新羅使人の歌(10)・・・巻第15-3586~3588

訓読 >>> 3586我(わ)が故(ゆゑ)に思ひな痩(や)せそ秋風の吹かむその月(つき)逢はむもの故(ゆゑ) 3587栲衾(たくぶすま)新羅(しらき)へいます君が目を今日(けふ)か明日(あす)かと斎(いは)ひて待たむ 3588はろはろに思ほゆるかも然(し…

遣新羅使人の歌(9)・・・巻第15-3622~3624

訓読 >>> 3622月読(つくよ)みの光りを清(きよ)み夕なぎに水手(かこ)の声呼び浦廻(うらみ)漕(こ)ぐかも 3623山の端(は)に月(つき)傾(かたぶ)けば漁(いざ)りする海人(あま)の燈火(ともしび)沖になづさふ 3624我(わ)れのみや夜船(…

遣新羅使人の歌(8)・・・巻第15-3639~3641

訓読 >>> 3639波の上に浮寝(うきね)せし宵(よひ)あど思(も)へか心悲しく夢(いめ)に見えつる 3640都辺(みやこへ)に行かむ船もが刈(か)り薦(こも)の乱れて思ふ言(こと)告(つ)げやらむ 3641暁(あかとき)の家恋しきに浦廻(うらみ)より…

遣新羅使人の歌(7)・・・巻第15-3591~3594

訓読 >>> 3591妹(いも)とありし時はあれども別れては衣手(ころもで)寒きものにそありける 3592海原(うなはら)に浮寝(うきね)せむ夜(よ)は沖つ風いたくな吹きそ妹もあらなくに 3593大伴(おほとも)の御津(みつ)に船乗(ふなの)り漕ぎ出(で…

遣新羅使人の歌(6)・・・巻第15-3582~3583

訓読 >>> 3582大船(おほふね)を荒海(あるみ)に出(い)だしいます君(きみ)障(つつ)むことなく早(はや)帰りませ 3583真幸(まさき)くて妹(いも)が斎(いは)はば沖つ波(なみ)千重(ちへ)に立つとも障(さは)りあらめやも 要旨 >>> 〈3…

遣新羅使人の歌(5)・・・巻第15-3589~3590

訓読 >>> 3589夕(ゆふ)さればひぐらし来(き)鳴く生駒山(いこまやま)越えてぞ我(あ)が来る妹(いも)が目を欲(ほ)り 3590妹(いも)に逢はずあらばすべなみ岩根(いはね)踏む生駒(いこま)の山を越えてぞ我(あ)が来る 要旨 >>> 〈3589〉…

遣新羅使人の歌(4)・・・巻第15-3635,3671

訓読 >>> 3635妹(いも)が家路(いへぢ)近くありせば見れど飽かぬ麻里布(まりふ)の浦を見せましものを 3671ぬばたまの夜(よ)渡る月にあらませば家なる妹(いも)に逢ひて来(こ)ましを 要旨 >>> 〈3635〉もしも妻がいる家への道が近くにあった…

遣新羅使人の歌(3)・・・巻第15-3584~3585

訓読 >>> 3584別れなばうら悲(がな)しけむ我(あ)が衣 下(した)にを着(き)ませ直(ただ)に逢ふまでに 3585我妹子(わぎもこ)が下(した)にも着よと贈りたる衣の紐(ひも)を我(あ)れ解(と)かめやも 要旨 >>> 〈3584〉お別れしたら、さぞ…

遣新羅使人の歌(2)・・・巻第15-3580~3581

訓読 >>> 3580君が行く海辺(うみへ)の宿(やど)に霧(きり)立たば我(あ)が立ち嘆く息(いき)と知りませ 3581秋さらば相見(あひみ)むものを何(なに)しかも霧に立つべく嘆きしまさむ 要旨 >>> 〈3580〉旅の途上の海辺の宿に霧が立ち込めたな…

遣新羅使人の歌(1)・・・巻第15-3578~3579

訓読 >>> 3578武庫(むこ)の浦の入江(いりえ)の渚鳥(すどり)羽(は)ぐくもる君を離れて恋に死ぬべし 3579大船に妹(いも)乗るものにあらませば羽(は)ぐくみ持ちて行かましものを 要旨 >>> 〈3578〉武庫川の河口付近の入江に巣くう水鳥が羽で…