大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

巻第5

梅の花夢に語らく・・・巻第5-852

訓読 >>> 梅の花(はな)夢(いめ)に語らくみやびたる花と我思(あれも)ふ酒に浮かべこそ 要旨 >>> 梅の花が、夢の中で私に語ったことには、私は自分を風雅な花だと自負してます、どうか私にふさわしく、酒杯に浮かべてください、と。 鑑賞 >>> …

年月は流るるごとし・・・巻第5-804~805

訓読 >>> 804世の中の すべなきものは 年月(としつき)は 流るるごとし とり続(つつ)き 追ひ来るものは 百種(ももくさ)に せめ寄り来(きた)る 娘子(をとめ)らが 娘子さびすと 韓玉(からたま)を 手本(たもと)に巻(ま)かし〈或いはこの句有…

大伴旅人が松浦佐用姫伝説を歌った歌・・・巻第5-871~875

訓読 >>> 871遠つ人 松浦佐用姫(まつらさよひめ)夫恋(つまご)ひに領巾(ひれ)振りしより負(お)へる山の名 872山の名と言ひ継げとかも佐用姫(さよひめ)がこの山の上(へ)に領巾(ひれ)を振りけむ 873万世(よろづよ)に語り継げとしこの岳(た…

天離る鄙に五年住まひつつ・・・巻第5-880~882

訓読 >>> 880天離(あまざか)る鄙(ひな)に五年住まひつつ都のてぶり忘らえにけり 881かくのみや息づき居らむあらたまの来経行(きへゆ)く年の限り知らずて 882我(あ)が主(ぬし)の御霊(みたま)賜(たま)ひて春さらば奈良の都に召上(めさ)げた…

神功皇后と鎮懐石・・・巻第5-813~814

訓読 >>> 813かけまくは あやに畏(かしこ)し 足日女(たらしひめ) 神の命(みこと) 韓国(からくに)を 向(む)け平(たひ)らげて 御心(みこころ)を 鎮(しづ)めたまふと い取らして 斎(いは)ひたまひし 真玉(またま)なす 二つの石を 世の人…

旅人の妻の死を悼んで山上憶良が詠んだ歌・・・巻第5-794~799

訓読 >>> 794大君(おほきみ)の 遠(とほ)の朝廷(みかど)と しらぬひ 筑紫の国に 泣く子なす 慕ひ来まして 息だにも いまだ休めず 年月も いまだあらねば 心ゆも 思はぬ間に うちなびき 臥(こや)しぬれ 言はむ術(すべ) 為(せ)む術知らに 石木(…

山上憶良の貧窮問答歌・・・巻第5-892~893

訓読 >>> 892風まじり 雨降る夜の 雨まじり 雪降る夜は 術(すべ)もなく 寒くしあれば 堅塩(かたしほ)を 取りつづしろひ 糟湯酒(かすゆざけ) うちすすろひて 咳(しはぶ)かひ 鼻びしびしに しかとあらね 髭(ひげ)かき撫でて 我(あれ)を除(お)…

父母を見れば貴し・・・巻第5-800~801

訓読 >>> 800父母(ちちはは)を 見れば貴(たふと)し 妻子(めこ)見れば めぐし愛(うつく)し 世間(よのなか)は かくぞことわり もち鳥の かからはしもよ ゆくへ知らねば 穿沓(うけぐつ)を 脱(ぬ)き(つ)棄るごとく 踏み脱きて 行くちふ人は …

大伴熊凝(おおとものくまごり)の死・・・巻第5-886~891

訓読 >>> 886うち日さす 宮へ上ると たらちしや 母が手離れ 常(つね)知らぬ 国の奥処(おくか)を 百重山(ももへやま) 越えて過ぎ行き 何時(いつ)しかも 京師(みやこ)を見むと 思ひつつ 語らひ居れど 己(おの)が身し 労(いたは)しければ 玉桙…

世の中は空しきものと知る時し・・・巻第5-793

訓読 >>> 世の中は空(むな)しきものと知る時しいよよますます悲しかりけり 要旨 >>> 世の中がむなしく無常だと現実に知り、今までよりもますます悲しい。 鑑賞 >>> 大伴旅人が、筑紫で妻を失くした時の歌。題詞に「凶問に報ふる歌一首」とあり、…

梅花の歌(2)・・・巻第5-818~822

訓読 >>> 818春さればまづ咲く宿の梅の花独り見つつや春日(はるひ)暮(くら)さむ 819世の中は恋 繁(しげ)しゑやかくしあらば梅の花にもならましものを 820梅の花今盛りなり思ふどち挿頭(かざし)にしてな今盛りなり 821青柳(あをやなぎ)梅との花…

瓜食めば子ども思ほゆ・・・巻第5-802~803

訓読 >>> 802瓜(うり)食(は)めば 子ども思ほゆ 栗(くり)食めば まして偲(しぬ)はゆ 何処(いづく)より 来(きた)りしものぞ 眼交(まなかひ)に もとな懸りて 安眠(やすい)し寝(な)さぬ 803銀(しろがね)も金(くがね)も玉も何せむに勝れ…

梅花の歌(1)・・・巻第5-815

訓読 >>> 正月(むつき)立ち春の来らばかくしこそ梅を招きつつ楽しきを経(へ)め 要旨 >>> 正月になり、新春を迎えたら、こうやって梅を見ながら楽しい一日を過ごしましょう。 鑑賞 >>> この歌は、大伴旅人の邸宅での宴で詠まれた「梅の歌」32首…