訓読 >>>
海原(うなはら)の道に乗りてや我(あ)が恋ひ居(を)らむ 大船のゆたにあるらむ人の子ゆゑに
要旨 >>>
大海原の船路に乗って行方を託すように、私は苦しんでいなければならないのか。大船に乗ってゆったり構えているだろうあの子のせいで。
鑑賞 >>>
『古歌集』から採ったとある旋頭歌(5・7・7・5・7・7)。「海原の道」は、海上には船を自然に目的地に運んでくれる道(潮流)があると考えられており、それによる表現。また、恋の状態を「道に乗る」と表現しています。「大船の」は「ゆたに」の枕詞。「ゆたに」はゆったりとして。