大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

巻第18

なでしこが花見るごとに娘子らが・・・巻第18-4113~4115

訓読 >>> 4113大君(おほきみ)の 遠(とほ)の朝廷(みかど)と 任(ま)きたまふ 官(つかさ)のまにま み雪降る 越(こし)に下(くだ)り来(き) あらたまの 年の五年(いつとせ) しきたへの 手枕(たまくら)まかず 紐(ひも)解(と)かず 丸寝(…

橘は花にも実にも見つれども・・・巻第18-4111~4112

訓読 >>> 4111かけまくも あやに畏(かしこ)し 天皇(すめろき)の 神の大御代(おほみよ)に 田道間守(たぢまもり) 常世(とこよ)に渡り 八矛(やほこ)持ち 参(ま)ゐ出(で)来(こ)し時 時じくの 香久(かく)の菓(このみ)を 畏(かしこ)く…

白玉を包みて遣らば・・・巻第18-4101~4105

訓読 >>> 4101珠洲(すす)の海人(あま)の 沖つ御神(みかみ)に い渡りて 潜(かづ)き取るといふ 鮑玉(あはびたま) 五百箇(いほち)もがも はしきよし 妻の命(みこと)の 衣手(ころもで)の 別れし時よ ぬばたまの 夜床(よとこ)片去(かたさ)…

英遠の浦に寄する白波・・・巻第18-4093

訓読 >>> 英遠(あを)の浦に寄する白波(しらなみ)いや増しに立ち重(し)き寄せ来(く)東風(あゆ)をいたみかも 要旨 >>> 英遠の浦に寄せる白波は、ますます大きくなって重なるように寄せてくる。東風が激しいからであろうか。 鑑賞 >>> 大伴…

霍公鳥こよ鳴き渡れ・・・巻第18-4054~4055

訓読 >>> 4054霍公鳥(ほととぎす)こよ鳴き渡れ燈火(ともしび)を月夜(つくよ)に比(なそ)へその影も見む 4055可敝流(かへる)みの道(みち)行(ゆ)かむ日は五幡(いつはた)の坂に袖(そで)振れ我(わ)れをし思はば 要旨 >>> 〈4054〉ホト…

垂姫の浦を漕ぐ舟・・・巻第18-4048,4051

訓読 >>> 4048垂姫(たるひめ)の浦を漕ぐ舟(ふね)楫間(かぢま)にも奈良の我家(わぎへ)を忘れて思へや 4051多祜(たこ)の崎(さき)木(こ)の暗茂(くれしげ)に霍公鳥(ほととぎす)来(き)鳴き響(とよ)めばはだ恋ひめやも 要旨 >>> 〈404…

いつしか明けむ布勢の海の浦を・・・巻第18-4038~4042

訓読 >>> 4038玉櫛笥(たまくしげ)いつしか明けむ布勢(ふせ)の海の浦を行きつつ玉も拾(ひり)はむ 4039音(おと)のみに聞きて目に見ぬ布勢(ふせ)の浦を見ずは上(のぼ)らじ年は経(へ)ぬとも 4040布勢(ふせ)の浦を行きてし見てばももしきの大…

奈呉の海に舟しまし貸せ・・・巻第18-4032~4036

訓読 >>> 4032奈呉(なご)の海に舟しまし貸せ沖に出(い)でて波立ち来(く)やと見て帰り来(こ)む 4033波立てば奈呉の浦廻(うらみ)に寄る貝の間(ま)なき恋にぞ年は経(へ)にける 4034奈呉の海に潮(しほ)の早(はや)干(ひ)ばあさりしに出(…

宴席の歌(7)・・・巻第18-4066~4069

訓読 >>> 4066卯(う)の花の咲く月立ちぬ霍公鳥(ほととぎす)来(き)鳴き響(とよ)めよ含(ふふ)みたりとも 4067二上(ふたがみ)の山に隠(こも)れる霍公鳥(ほととぎす)今も鳴かぬか君に聞かせむ 4068居(を)り明かしも今夜(こよひ)は飲まむ…

高御座天の日継と・・・巻第18-4098~4100

訓読 >>> 4098高御座(たかみくら) 天(あま)の日継(ひつぎ)と 天(あめ)の下(した) 知らしめしける 皇祖(すめろき)の 神の命(みこと)の 畏(かしこ)くも 始めたまひて 貴(たふと)くも 定めたまへる み吉野の この大宮に あり通(がよ)ひ …

ゆくへなくありわたるとも霍公鳥・・・巻第18-4089~4092

訓読 >>> 4089高御座(たかみくら) 天(あま)の日継(ひつぎ)と 皇祖(すめろき)の 神の命(みこと)の 聞こし食(を)す 国のまほらに 山をしも さはに多みと 百鳥(ももとり)の 来居(きゐ)て鳴く声 春されば 聞きのかなしも いづれをか 別(わ)…

焼太刀を砺波の関に・・・巻第18-4085

訓読 >>> 焼太刀(やきたち)を砺波(となみ)の関(せき)に明日(あす)よりは守部(もりへ)遣(や)り添へ君を留(とど)めむ 要旨 >>> 焼いて鍛えた太刀、その太刀を研ぐという砺波の関に、明日からは番人を増やして、あなたにゆっくり留まってい…

一本のなでしこ植ゑしその心・・・巻第18-4070~4072

訓読 >>> 4070一本(ひともと)のなでしこ植ゑしその心(こころ)誰(た)れに見せむと思ひそめけむ 4071しなざかる越(こし)の君らとかくしこそ柳(やなぎ)かづらき楽しく遊ばめ 4072ぬばたまの夜(よ)渡る月を幾夜(いくよ)経(ふ)と数(よ)みつ…

堀江には玉敷かましを・・・巻第18-4056~4057

訓読 >>> 4056堀江(ほりえ)には玉(たま)敷(し)かましを大君(おほきみ)を御船(みふね)漕がむとかねて知りせば 4057玉 敷(し)かず君が悔(く)いて言ふ堀江(ほりえ)には玉敷き満(み)てて継ぎて通(かよ)はむ〈或いは云ふ、玉 扱(こ)き敷…

橘のとをの橘八つ代にも・・・巻第18-4058~4059

訓読 >>> 4058橘(たちばな)のとをの橘(たちばな) 八(や)つ代(よ)にも我(あ)れは忘れじこの橘を 4059橘(たちばな)の下照(したで)る庭に殿(との)建てて酒(さか)みづきいます我(わ)が大君(おほきみ)かも 要旨 >>> 〈4058〉橘のなか…

雪の上に照れる月夜に・・・巻第18-4134

訓読 >>> 雪の上(うへ)に照れる月夜(つくよ)に梅の花(はな)折りて送らむはしき子もがも 要旨 >>> 雪の上に輝く月の美しいこんな夜に、梅の花を折って贈ってやれる、いとしい娘でもいたらなあ。 鑑賞 >>> 大伴家持が、宴席で「雪、月、梅の花…

雨も降らぬか・・・巻第18-4122~4124

訓読 >>> 4122天皇(すめろき)の 敷きます国の 天(あめ)の下(した) 四方(よも)の道には 馬の爪(つめ) い尽(つく)す極(きは)み 舟舳(ふなのへ)の い泊(は)つるまでに 古(いにしへ)よ 今の現(をつつ)に 万調(よろづつき) 奉(まつ)…

海行かば水漬く屍・・・巻第18-4094~4097

訓読 >>> 4094葦原(あしはら)の 瑞穂(みづほ)の国を 天下(あまくだ)り 知らしめしける すめろきの 神の命(みこと)の 御代(みよ)重ね 天(あま)の日継(ひつぎ)と 知らし来る 君の御代(みよ)御代 敷きませる 四方(よも)の国には 山川(や…

部下の重婚を𠮟りつけた家持の歌・・・巻第18-4106~4109

訓読 >>> 4106大汝(おほなむち) 少彦名(すくなひこな)の 神代(かみよ)より 言ひ継(つ)ぎけらく 父母(ちちはは)を 見れば尊(たふと)く 妻子(めこ)見れば 愛(かな)しくめぐし うつせみの 世の理(ことわり)と かくさまに 言ひけるものを …

あぶら火の光に見ゆる・・・巻第18-4086

訓読 >>> あぶら火の光に見ゆるわが縵(かづら)さ百合(ゆり)の花の笑(ゑ)まはしきかも 要旨 >>> 燈火に照り映える私の髪飾りの、小さな百合の花のなんとほほえましいことよ。 鑑賞 >>> 大伴家持が、越中守として赴任していた時の歌です。初夏…