大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

巻第18

高御座天の日継と・・・巻第18-4098~4100

訓読 >>> 4098高御座(たかみくら) 天(あま)の日継(ひつぎ)と 天(あめ)の下(した) 知らしめしける 皇祖(すめろき)の 神の命(みこと)の 畏(かしこ)くも 始めたまひて 貴(たふと)くも 定めたまへる み吉野の この大宮に あり通(がよ)ひ …

ゆくへなくありわたるとも霍公鳥・・・巻第18-4089~4092

訓読 >>> 4089高御座(たかみくら) 天(あま)の日継(ひつぎ)と 皇祖(すめろき)の 神の命(みこと)の 聞こし食(を)す 国のまほらに 山をしも さはに多みと 百鳥(ももとり)の 来居(きゐ)て鳴く声 春されば 聞きのかなしも いづれをか 別(わ)…

焼太刀を砺波の関に・・・巻第18-4085

訓読 >>> 焼太刀(やきたち)を砺波(となみ)の関(せき)に明日(あす)よりは守部(もりへ)遣(や)り添へ君を留(とど)めむ 要旨 >>> 焼いて鍛えた太刀、その太刀を研ぐという砺波の関に、明日からは番人を増やして、あなたにゆっくり留まってい…

一本のなでしこ植ゑしその心・・・巻第18-4070~4072

訓読 >>> 4070一本(ひともと)のなでしこ植ゑしその心(こころ)誰(た)れに見せむと思ひそめけむ 4071しなざかる越(こし)の君らとかくしこそ柳(やなぎ)かづらき楽しく遊ばめ 4072ぬばたまの夜(よ)渡る月を幾夜(いくよ)経(ふ)と数(よ)みつ…

堀江には玉敷かましを・・・巻第18-4056~4057

訓読 >>> 4056堀江(ほりえ)には玉(たま)敷(し)かましを大君(おほきみ)を御船(みふね)漕がむとかねて知りせば 4057玉 敷(し)かず君が悔(く)いて言ふ堀江(ほりえ)には玉敷き満(み)てて継ぎて通(かよ)はむ〈或いは云ふ、玉 扱(こ)き敷…

橘のとをの橘八つ代にも・・・巻第18-4058~4059

訓読 >>> 4058橘(たちばな)のとをの橘(たちばな) 八(や)つ代(よ)にも我(あ)れは忘れじこの橘を 4059橘(たちばな)の下照(したで)る庭に殿(との)建てて酒(さか)みづきいます我(わ)が大君(おほきみ)かも 要旨 >>> 〈4058〉橘のなか…

雪の上に照れる月夜に・・・巻第18-4134

訓読 >>> 雪の上(うへ)に照れる月夜(つくよ)に梅の花(はな)折りて送らむはしき子もがも 要旨 >>> 雪の上に輝く月の美しいこんな夜に、梅の花を折って贈ってやれる、いとしい娘でもいたらなあ。 鑑賞 >>> 大伴家持が、宴席で「雪、月、梅の花…

雨も降らぬか・・・巻第18-4122~4124

訓読 >>> 4122天皇(すめろき)の 敷きます国の 天(あめ)の下(した) 四方(よも)の道には 馬の爪(つめ) い尽(つく)す極(きは)み 舟舳(ふなのへ)の い泊(は)つるまでに 古(いにしへ)よ 今の現(をつつ)に 万調(よろづつき) 奉(まつ)…

海行かば水漬く屍・・・巻第18-4094~4097

訓読 >>> 4094葦原(あしはら)の 瑞穂(みづほ)の国を 天下(あまくだ)り 知らしめしける すめろきの 神の命(みこと)の 御代(みよ)重ね 天(あま)の日継(ひつぎ)と 知らし来る 君の御代(みよ)御代 敷きませる 四方(よも)の国には 山川(や…

部下の重婚を𠮟りつけた家持の歌・・・巻第18-4106~4109

訓読 >>> 4106大汝(おほなむち) 少彦名(すくなひこな)の 神代(かみよ)より 言ひ継(つ)ぎけらく 父母(ちちはは)を 見れば尊(たふと)く 妻子(めこ)見れば 愛(かな)しくめぐし うつせみの 世の理(ことわり)と かくさまに 言ひけるものを …

あぶら火の光に見ゆる・・・巻第18-4086

訓読 >>> あぶら火の光に見ゆるわが縵(かづら)さ百合(ゆり)の花の笑(ゑ)まはしきかも 要旨 >>> 燈火に照り映える私の髪飾りの、小さな百合の花のなんとほほえましいことよ。 鑑賞 >>> 大伴家持が、越中守として赴任していた時の歌です。初夏…