大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

大伴家持の歌

うはへなき妹にもあるかも・・・巻第4-691~692

訓読 >>> 691ももしきの大宮人(おほみやひと)は多かれど心に乗りて思ほゆる妹(いも) 692うはへなき妹(いも)にもあるかもかくばかり人の心を尽(つく)さく思へば 要旨 >>> 〈691〉大宮に仕える女官はたくさんいるけれども、私の心に乗りかかって…

海行かば水漬く屍・・・巻第18-4094~4097

訓読 >>> 4094葦原(あしはら)の 瑞穂(みづほ)の国を 天下(あまくだ)り 知らしめしける すめろきの 神の命(みこと)の 御代(みよ)重ね 天(あま)の日継(ひつぎ)と 知らし来る 君の御代(みよ)御代 敷きませる 四方(よも)の国には 山川(や…

立山に降り置ける雪を・・・巻第17-4000~4002

訓読 >>> 4000天離(あまざか)る 鄙(ひな)に名かかす 越(こし)の中(なか) 国内(くぬち)ことごと 山はしも しじにあれども 川はしも 多(さは)に行けども 統神(すめかみ)の 領(うしは)きいます 新川(にひかは)の その立山(たちやま)に …

藤波の影なす海の・・・巻第19-4199~4202

訓読 >>> 4199藤波(ふぢなみ)の影(かげ)なす海の底(そこ)清み沈(しづ)く石をも玉とぞ我(わ)が見る 4200多祜の浦の底さへにほふ藤波をかざして行かむ見ぬ人のため 4201いささかに思ひて来(こ)しを多祜の浦に咲ける藤見て一夜(ひとよ)経(へ…

をととしの先つ年より・・・巻第4-783~785

訓読 >>> 783をととしの先つ年より今年まで恋ふれどなぞも妹(いも)に逢ひかたき 784うつつにはさらにもえ言はず夢(いめ)にだに妹(いも)が手本(たもと)を卷き寝(ぬ)とし見ば 785我がやどの草の上白く置く露(つゆ)の身も惜しからず妹(いも)に…

堅香子の花・・・巻第19-4143

訓読 >>> もののふの八十娘子(やそをとめ)らが汲(く)み乱(まが)ふ寺井(てらゐ)の上の堅香子(かたかご)の花 要旨 >>> たくさんの乙女たちが、入り乱れては水を汲む、寺の境内にある井戸のそばに群がって咲いているカタクリの花よ。 鑑賞 >>…

うらうらに照れる春日に・・・巻第19-4292

訓読 >>> うらうらに照れる春日(はるひ)にひばり上がり心悲しも独(ひとり)し思へば 要旨 >>> うららかに日の照っている春の日に、雲雀の声も空高く舞い上がり、やたらと心が沈む。こうしてひとり物思いにふけっていると。 鑑賞 >>> 家持がこの…

部下の重婚を𠮟りつけた家持の歌・・・巻第18-4106~4109

訓読 >>> 4106大汝(おほなむち) 少彦名(すくなひこな)の 神代(かみよ)より 言ひ継(つ)ぎけらく 父母(ちちはは)を 見れば尊(たふと)く 妻子(めこ)見れば 愛(かな)しくめぐし うつせみの 世の理(ことわり)と かくさまに 言ひけるものを …

うち霧らし雪は降りつつ・・・巻第8-1441・1446

訓読 >>> 1441うち霧(き)らし雪は降りつつしかすがに吾家(わぎへ)の園(その)に鶯(うぐひす)鳴くも 1446春の野にあさる雉(きぎし)の妻恋(つまご)ひにおのがあたりを人に知れつつ 要旨 >>> 〈1441〉大空を霞(かす)ませるように雪が降りし…

三日月の眉根掻き・・・巻第6-993~994

訓読 >>> 993月立ちてただ三日月の眉根(まよね)掻(か)き日長く恋ひし君に逢へるかも 994ふりさけて若月(みかづき)見ればひと目見し人の眉引(まよび)き思ほゆるかも 要旨 >>> 〈993〉姿をあらわしてたった三日という細い月のかたちの眉を掻いて…

梅のいまだ咲かなく・・・巻第4-786~788

訓読 >>> 786春の雨はいやしき降るに梅の花いまだ咲かなくいと若みかも 787夢のごと思ほゆるかもはしきやし君が使の数多く通へば 788うら若み花咲きかたき梅を植ゑて人の言(こと)繁(しげ)み思ひぞ我がする 要旨 >>> 〈786〉春雨はしきりに降ってい…

あぶら火の光に見ゆる・・・巻第18-4086

訓読 >>> あぶら火の光に見ゆるわが縵(かづら)さ百合(ゆり)の花の笑(ゑ)まはしきかも 要旨 >>> 燈火に照り映える私の髪飾りの、小さな百合の花のなんとほほえましいことよ。 鑑賞 >>> 大伴家持が、越中守として赴任していた時の歌です。初夏…

新しき年の初めは・・・巻第19-4229

訓読 >>> 新(あらた)しき年の初めはいや年に雪踏み平(なら)し常かくにもが 要旨 >>> 新年の初めをいよいよこのように年を重ね、積もった雪を踏みならして平穏に迎え、いつもこんな風でありたいものよ。 鑑賞 >>> 天平勝宝3年(751年)正月2日に…