大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

東歌

東歌(12)・・・巻第14‐3399

訓読 >>> 信濃道(しなぬぢ)は今の墾(は)り道 刈りばねに足踏ましなむ沓(くつ)はけ我(わ)が背 要旨 >>> 信濃道(しなのぢ)は切り拓いたばかりの道です。きっと切り株をお踏みになるでしょう。靴を履いてお越しになって下さい、あなた。 鑑賞 …

東歌(11)・・・巻第14-3428

訓読 >>> 安達太良(あだたら)の嶺(ね)に臥(ふ)す鹿猪(しし)のありつつも我(あ)れは至らむ寝処(ねど)な去りそね 要旨 >>> 安達太良山の鹿猪(しし)がいつも同じねぐらに帰って寝るように、私も毎晩通ってきて共寝をしようと思うから、その…

東歌(10)・・・巻第14-3577

訓読 >>> 愛(かな)し妹(いも)をいづち行かめと山菅(やますげ)の背向(そがひ)に寝(ね)しく今し悔(くや)しも 要旨 >>> 愛しい妻が死んでしまうとは思わないで、山菅の葉のように背を向け合って寝たことが、今となっては悔やまれてならない。…

東歌(9)・・・巻第14-3537

訓読 >>> 柵越(くへご)しに麦(むぎ)食(は)む小馬(こうま)のはつはつに相見(あひみ)し児(こ)らしあやに愛(かな)しも (或本の歌に曰はく)馬柵(うませ)越し麦(むぎ)食)は)む駒(こま)のはつはつに新肌(にひはだ)触れし児(こ)ろし…

東歌(8)・・・巻第14-3388

訓読 >>> 筑波嶺(つくはね)の嶺(ね)ろに霞(かすみ)居(ゐ)過ぎかてに息づく君を率寝(ゐね)て遣(や)らさね 要旨 >>> 筑波嶺の嶺にかかった霞が動かないように門前を立ち去れず、ため息をついているあの人を、引っ張ってきて共寝してやりなさ…

東歌(7)・・・巻第14-3380

訓読 >>> 埼玉(さきたま)の津に居(を)る船の風をいたみ綱は絶ゆとも言(こと)な絶えそね 要旨 >>> 風がひどいので、埼玉の船着き場につながれている船の綱が切れるようなことがあっても、あなたの言葉(便り)は絶やさないでください。 鑑賞 >>…

東歌(6)・・・巻第14-3404

訓読 >>> 上つ毛野(かみつけの)安蘇(あそ)の真麻群(まそむら)かき抱(むだ)き寝(ぬ)れど飽(あ)かぬをあどか我(あ)がせむ 要旨 >>> 上野の安蘇の群れ立つ麻、その麻を束ねてかかえるようにしっかりと抱いて寝るけれど、それでもまだ満たさ…

東歌(5)・・・巻第14-3442・3477

訓読 >>> 3442東道(あづまぢ)の手児(てご)の呼坂(よびさか)越えがねて山にか寝(ね)むも宿りはなしに 3477東道(あづまぢ)の手児(てご)の呼坂(よびさか)越えて去(い)なば我(あ)れは恋(こ)ひむな後は逢ひぬとも 要旨 >>> 〈3442〉東…

東歌(4)・・・巻第14-3364

訓読 >>> 足柄(あしがら)の箱根の山に粟(あは)蒔(ま)きて実(み)とはなれるを逢はなくも怪(あや)し 要旨 >>> 足柄の箱根の山の畑に粟を蒔いて、無事に実がなったというのに、粟(あわ)がない、逢わないなんておかしい。 鑑賞 >>> 相模の…

東歌(3)・・・巻第14-3373

訓読 >>> 多摩川にさらす手作(てづく)りさらさらに何(なに)そこの児(こ)のここだ愛(かな)しき 要旨 >>> 多摩川の水にさらさらとさらして仕上げる手織りの布のように、さらにさらにこの娘(こ)をこんなに愛しく思うのか。 鑑賞 >>> 武蔵の…

東歌(2)・・・巻第14-3350~3351

訓読 >>> 3350筑波嶺(つくはね)の新桑繭(にひぐはまよ)の衣(きぬ)はあれど君が御衣(みけし)しあやに着欲(きほ)しも 3351筑波嶺に雪かも降らる否(いな)をかも愛(かな)しき児(こ)ろが布(にの)乾(ほ)さるかも 要旨 >>> 〈3350〉筑波…

東歌(1)・・・巻第14-3398~3400

訓読 >>> 3398人皆(ひとみな)の言(こと)は絶ゆとも埴科(はにしな)の石井の手児(てご)が言な絶えそね 3399信濃道(しなぬぢ)は今の墾(は)り道 刈りばねに足踏ましなむ沓(くつ)はけ我(わ)が背 3400信濃(しなぬ)なる千曲(ちくま)の川のさ…