大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

巻第9

もみち葉の過ぎにし児らと・・・巻第9-1796~1799

訓読 >>> 1796もみち葉の過ぎにし児らと携(たずさ)はり遊びし磯を見れば悲しも 1797潮気(しおけ)立つ荒磯(ありそ)にはあれど行く水の過ぎにし妹(いも)が形見とそ来(こ)し 1798古(いにしえ)に妹と我(わ)が見しぬばたまの黒牛潟(くろうしが…

落ち激ち流るる水の・・・巻第9-1713~1714

訓読 >>> 1713滝の上の三船(みふね)の山ゆ秋津(あきつ)べに来鳴きわたるは誰呼子鳥(たれよぶこどり) 1714落ち激(たぎ)ち流るる水の磐(いは)に触(ふ)り淀(よど)める淀に月の影(かげ)見ゆ 要旨 >>> 〈1713〉吉野川の滝の上にそびえる御…

霍公鳥、独り生まれて・・・巻第9-1755~1756

訓読 >>> 1755鴬(うぐひす)の 卵(かひご)の中に 霍公鳥(ほととぎす) 独り生れて 己(な)が父に 似ては鳴かず 己が母に 似ては鳴かず 卯の花の 咲きたる野辺(のへ)ゆ 飛び翔(かけ)り 来鳴き響(とよ)もし 橘の 花を居散らし ひねもすに 鳴けど…

行路死人への鎮魂歌・・・巻第9-1800

訓読 >>> 小垣内(をかきつ)の 麻(あさ)を引き干し 妹(いも)なねが 作り着せけむ 白栲(しろたへ)の 紐(ひも)をも解かず 一重(ひとへ)結(ゆ)ふ 帯(おび)を三重(みへ)結ひ 苦しきに 仕へ奉(まつ)りて 今だにも 国に罷(まか)りて 父母…

遣唐使の息子を見送る母の歌・・・巻第9-1790~1791

訓読>>> 1790秋萩(あきはぎ)を 妻問う鹿(か)こそ 独子(ひとりご)に 子持てりといへ 鹿児(かこ)じもの わが独子の 草枕 旅にし行けば 竹珠(たかだま)を しじに貫(ぬ)き垂(た)り 斎瓮(いはひべ)に 木綿(ゆふ)取り垂(し)でて 斎(いは)…

浦島太郎伝説・・・巻第9-1740

訓読 >>> 春の日の 霞める時に 墨吉(すみのえ)の 岸に出でゐて 釣船の とをらふ見れば 古(いにしへ)の 事ぞ思ほゆる 水江(みづのえ)の 浦の島子が 堅魚(かつを)釣り 鯛(たひ)釣り矜(ほこ)り 七日まで 家にも来ずて 海界(うなさか)を 過ぎて…