訓読 >>>
梅の花(はな)夢(いめ)に語らくみやびたる花と我思(あれも)ふ酒に浮かべこそ
要旨 >>>
梅の花が、夢の中で私に語ったことには、私は自分を風雅な花だと自負してます、どうか私にふさわしく、酒杯に浮かべてください、と。
鑑賞 >>>
大宰府で詠まれた「梅花の歌」32首のあとに「後に追和した」歌として載っている歌です。作者名は記されていませんが、大伴旅人か山上憶良、あるいは坂上郎女ともいわれます。梅花に仙女を連想する神仙趣味は、まさに旅人のようであります。「語らく」は、語ることには。「みやびたる」は、風雅な、高雅な。「こそ」は、願望の助詞。