大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

東歌

東歌(6)・・・巻第14-3404

訓読 >>> 上つ毛野(かみつけの)安蘇(あそ)の真麻群(まそむら)かき抱(むだ)き寝(ぬ)れど飽(あ)かぬをあどか我(あ)がせむ 要旨 >>> 上野の安蘇の群れ立つ麻、その麻を束ねてかかえるようにしっかりと抱いて寝るけれど、それでもまだ満たさ…

東歌(5)・・・巻第14-3442・3477

訓読 >>> 3442東道(あづまぢ)の手児(てご)の呼坂(よびさか)越えがねて山にか寝(ね)むも宿りはなしに 3477東道(あづまぢ)の手児(てご)の呼坂(よびさか)越えて去(い)なば我(あ)れは恋(こ)ひむな後は逢ひぬとも 要旨 >>> 〈3442〉東…

東歌(4)・・・巻第14-3364

訓読 >>> 足柄(あしがら)の箱根の山に粟(あは)蒔(ま)きて実(み)とはなれるを逢はなくも怪(あや)し 要旨 >>> 足柄の箱根の山の畑に粟を蒔いて、無事に実がなったというのに、粟(あわ)がない、逢わないなんておかしい。 鑑賞 >>> 相模の…

東歌(3)・・・巻第14-3373

訓読 >>> 多摩川にさらす手作(てづく)りさらさらに何(なに)そこの児(こ)のここだ愛(かな)しき 要旨 >>> 多摩川の水にさらさらとさらして仕上げる手織りの布のように、さらにさらにこの娘(こ)をこんなに愛しく思うのか。 鑑賞 >>> 武蔵の…

東歌(2)・・・巻第14-3350~3351

訓読 >>> 3350筑波嶺(つくはね)の新桑繭(にひぐはまよ)の衣(きぬ)はあれど君が御衣(みけし)しあやに着欲(きほ)しも 3351筑波嶺に雪かも降らる否(いな)をかも愛(かな)しき児(こ)ろが布(にの)乾(ほ)さるかも 要旨 >>> 〈3350〉筑波…

東歌(1)・・・巻第14-3398~3400

訓読 >>> 3398人皆(ひとみな)の言(こと)は絶ゆとも埴科(はにしな)の石井の手児(てご)が言な絶えそね 3399信濃道(しなぬぢ)は今の墾(は)り道 刈りばねに足踏ましなむ沓(くつ)はけ我(わ)が背 3400信濃(しなぬ)なる千曲(ちくま)の川のさ…