訓読 >>>
朝(あした)咲き夕(ゆふへ)は消(け)ぬる月草(つきくさ)の消(け)ぬべき恋も我(あ)れはするかも
要旨 >>>
朝咲いても、夕方にはしぼんでしまう露草(つゆくさ)のように、身も消えてしまいそうな切ない恋をしています。
鑑賞 >>>
上3句は「消ぬ」を導く序詞。「月草」は「露草(つゆくさ)」の古い呼び名で、7~8月にかけて、畑の隅や道端などでよく見かけます。青紫色の花は、朝咲いて、その日の午後にはしぼんでしまうことから「朝露」を連想させ、「露草」という名になったという説があります。その特徴的な花の形から、蛍草(ほたるぐさ)や帽子花(ぼうしばな)などの別名もあります。古代では衣を青く染めるのにも使用されていたようです。