大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

うち鼻ひ鼻をぞひつる・・・巻第11-2637

訓読 >>>

うち鼻(はな)ひ鼻をぞひつる剣大刀(つるぎたち)身に添ふ妹(いも)し思ひけらしも

 

要旨 >>>

くしゃみが出る、またくしゃみが出る。どうやら、腰に帯びる剣大刀のようにいつも寄り添ってくれている妻が、私のことを思ってくれているらしい。

 

鑑賞 >>>

 「寄物陳思(物に寄せて思いを述べた歌)」。「鼻ふ」は。くしゃみをする意。くしゃみは恋人に逢える前兆とされました。「剣太刀」は「身に添ふ」の枕詞。「けらし」は「ける・らし」の転。「らし」は根拠に基づく推定。