大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

英遠の浦に寄する白波・・・巻第18-4093

訓読 >>>

英遠(あを)の浦に寄する白波(しらなみ)いや増しに立ち重(し)き寄せ来(く)東風(あゆ)をいたみかも

 

要旨 >>>

英遠の浦に寄せる白波は、ますます大きくなって重なるように寄せてくる。東風が激しいからであろうか。

 

鑑賞 >>>

 大伴家持が、英遠(あお)の浦に行った日に作った歌。「英遠の浦」は、氷見市阿尾の海岸。「いや増しに」は、いっそう、ますます。「立ち重き寄せ来」は、立ち重なって寄せて来る。「東風をいたみ」は、東風が激しいので。「あゆ」は北陸地方の方言。「かも」は詠嘆。