大和の国のこころ、万葉のこころ

不肖私がこよなく愛する『万葉集』の鑑賞blogです。

君が舟今漕ぎ来らし・・・巻第10-2045~2047

訓読 >>>

2045
君が舟(ふね)今漕ぎ来(く)らし天の川 霧(きり)立ちわたるこの川の瀬に

2046
秋風に川波(かはなみ)立ちぬしましくは八十(やそ)の舟津(ふなつ)にみ舟 留(とど)めよ

2047
天の川の川音(かはと)清(さやけ)し彦星(ひこぼし)の秋漕ぐ舟の波のさわきか

 

要旨 >>>

〈2045〉あの方の舟は、今こそ漕いでこちらに来るらしい。天の川に霧が立ちこめてきた、この川瀬に。

〈2046〉秋風が吹いて川波が立ち始めました。しばらくの間は、あちこちの舟だまりのどこかに舟をとどめて下さい。

〈2047〉天の川にの水音がはっきり聞こえる、秋になって彦星が漕ぎ出した舟の立てる波のざわめきだろうか。

 

鑑賞 >>>

 七夕の歌。2045の「漕ぎ来らし」の「らし」は、根拠に基づく推量。2046の「しましくは」は、しばらくは。「八十」は、多くというのを具象的にいったもの。「舟津」は、舟の発着する場所。