3786番~3889番
- 春さらばかざしにせむと我が思ひし桜の花は散り行けるかも
- 妹が名にかけたる桜花散らば常にや恋ひむいや年のはに
- 耳成の池し恨めし我妹子が来つつ潜かば水は涸れなむ
- あしひきの山縵の子今日行くと我れに告げせば帰り来ましを
- あしひきの玉縵の子今日のごといづれの隈を見つつ来にけむ
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- 隠りのみ恋ふれば苦し山の端ゆ出でくる月の顕さばいかに
- かくのみにありけるものを猪名川の奥を深めて我が思へりける
- ぬばたまの黒髪濡れて沫雪の降るにや来ます幾許恋ふれば
- 事しあらば小泊瀬山の石城にも隠らばともにな思ひ我が背
- 安積山影さへ見ゆる山の井の浅き心を我が思はなくに
- 住吉の小集楽に出でてうつつにもおの妻すらを鏡と見つも
- 商返しめすとの御法あらばこそ我が下衣返し給はめ
- 味飯を水に醸みなし我が待ちし効はさね無し直にしあらねば
- さ丹つらふ君がみ言と玉梓の使ひも来ねば思ひ病む・・・(長歌)
- 占部をも八十の衢も占問へど君を相見むたどき知らずも
- 我が命は惜しくもあらずさ丹つらふ君によりてぞ長く欲りせし
- 白玉は緒絶えしにきと聞きしゆゑにその緒また貫き我が玉にせむ
- 白玉の緒絶えはまこと然れどもその緒また貫き人持ち去にけり
- 家に有る櫃に鏁刺し収めてし恋の奴がつかみかかりて
- かるうすは田廬の本に我が背子はにふぶに笑みて立ちませり見ゆ
- 朝霞鹿火屋が下の鳴くかはづ偲ひつつありと告げむ子もがも
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- 美麗ものいづく飽かじを坂門らが角のふくれにしぐひ合ひにけむ
- 橘の寺の長屋に我が率寝し童女放髪は髪上げつらむか
- 橘の照れる長屋に我が率寝し童女放髪に髪上げつらむか
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- 一二の目のみにはあらず五六三四さへありけり双六のさえ
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- 池神の力士舞かも白鷺の桙啄ひ持ちて飛び渡るらむ
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- 虎に乗り古屋を越えて青淵に蛟龍捕り来む剣太刀もが
- 梨棗黍に粟つぎ延ふ葛の後も逢はむと葵花咲く
- 勝間田の池は我れ知る蓮なししか言ふ君が鬚なきごとし
- 奈良山の児手柏の両面にかにもかくにも侫人の伴
- ひさかたの雨も降らぬか蓮葉に溜まれる水の玉に似たる見む
- 我妹子が額に生ふる双六の特負の牛の鞍の上の瘡
- 我が背子が犢鼻にするつぶれ石の吉野の山に氷魚ぞ下がれる
- 寺々の女餓鬼申さく大神の男餓鬼賜りてその子産まはむ
- 仏造る真朱足らずは水溜まる池田の朝臣が鼻の上を掘れ
- 童ども草はな刈りそ八穂蓼を穂積の朝臣が腋草を刈れ
- いづくにぞま朱掘る岡薦畳平群の朝臣が鼻の上を掘れ
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- 法師らが鬚の剃り杭馬つなぎいたくな引きそ法師半かむ
- 壇越やしかもな言ひそ里長が課役徴らば汝も泣かむ
- あらき田の鹿猪田の稲を倉に上げてあなひねひねし我が恋ふらくは
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- 鯨魚取り海や死にする山や死にする死ぬれこそ海は潮干て山は枯れすれ
- 石麻呂に我れ物申す夏痩せによしといふものぞ鰻捕り食せ
- 痩す痩すも生けらばあらむをはたやはた鰻を捕ると川に流るな
- 皂莢に延ひおほとれる屎葛絶ゆることなく宮仕へせむ
- 波羅門の作れる小田を食む烏瞼腫れて幡桙に居り
- 飯食めどうまくもあらず行き行けど安くもあらずあかねさす・・・(長歌)
- このころの我が恋力記し集め功に申さば五位の冠
- このころの我が恋力給らずは京兆に出でて訴へむ
- 大君の遣はさなくにさかしらに行きし荒雄ら沖に袖振る
- 荒雄らを来むか来じかと飯盛りて門に出で立ち待てど来まさず
- 志賀の山いたくな伐りそ荒雄らがよすかの山と見つつ偲はむ
- 荒雄らが行きにし日より志賀の海人の大浦田沼は寂しくもあるか
- 官こそさしても遣らめさかしらに行きし荒雄ら波に袖振る
- 荒雄らは妻子が業をば思はずろ年の八年を待てど来まさず
- 沖つ鳥鴨とふ船の帰り来ば也良の崎守早く告げこそ
- 沖つ鳥鴨とふ船は也良の崎廻みて漕ぎ来と聞こえ来ぬかも
- 沖行くや赤ら小舟につと遣らばけだし人見て開き見むかも
- 大船に小舟引き添へ潜くとも志賀の荒雄に潜き逢はめやも
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- 射ゆ鹿を認ぐ川辺のにこ草の身の若かへにさ寝し子らはも
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- はしたての熊来のやらに新羅斧落し入れわしかけてかけて・・・(長歌)
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- 鹿島嶺の机の島のしただみをい拾ひ持ち来て石もち・・・(長歌)
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- 弥彦おのれ神さび青雲のたなびく日すら小雨そほ降る
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- いとこ汝背の君居り居りて物にい行くとは韓国の・・・(長歌)
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- 天にあるやささらの小野に茅草刈り草刈りばかに鶉を立つも
- 沖つ国うしはく君の塗り屋形丹塗りの屋形神の門渡る
- 人魂のさ青なる君がただひとり逢へりし雨夜の葉非左し思ほゆ